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米国防総省がAnthropic排除検討。ベネズエラ作戦でのAI使用が引き金に

 米国防総省(ペンタゴン、正式名称:戦争省)が、AI企業のAnthropic(アンソロピック)との協力関係を見直す動きを見せているようです。Axios(アクシオス)が2月16日に報じた内容によると、ピート・ヘグセス国防長官は同社との取引打ち切りを検討しており、通常は敵対勢力などに適用される「サプライチェーンリスク」の対象に加える案も浮上しているとのことです。

 対立のきっかけとなったのは、1月3日にベネズエラで実施されたニコラス・マドゥロ氏(当時のベネズエラ大統領)の拘束作戦だとされています。ウォール・ストリート・ジャーナルが2月13日に報じたところでは、米軍はこの作戦中にAnthropicのAIモデル「Claude(クロード)」を使用していたといいます。この作戦ではカラカス周辺への攻撃も行われ、キューバとベネズエラは自国側に多数の死者が出たと主張しているのだそうです。

 Anthropicは利用規約において、暴力の助長や武器開発、監視活動へのClaudeの使用を禁じています。作戦の実施後、同社の幹部が政府関係者に対して「作戦でAIが使われたのか」を問い合わせたと報じられており、国防総省の高官はこれを「不承認を示唆する態度」と受け止めたようです。一方でAnthropic側は、特定の作戦について国防総省やパランティアなどの業界パートナーと協議した事実はないと否定しています。

 国防総省はAI各社に対し、ツールを「あらゆる合法的な目的」で使用できるよう求めているとされます。Axiosによると、OpenAI(オープンAI)やGoogle(グーグル)、xAI(エックスエーアイ)は軍の利用者向けに、一般向けよりも安全装置を大幅に緩和した形でのアクセスを認める契約を結んだそうです。機密環境での運用については現在も協議が続いているとされますが、Anthropicは条件緩和に理解を示しつつも、米国民への大規模監視や人間の関与がない完全自律型兵器への利用については、断固として拒否する姿勢を崩していない模様です。

 国防総省の報道官を務めるショーン・パーネル氏は「いかなる戦いにおいても、勝利に貢献する意思を持つパートナーが必要だ」とコメント。ある高官は「切り離し作業は極めて困難だが、相応の代償を払わせる」と語り、厳しい姿勢を示しているといいます。

 Anthropicは2025年7月に、国防総省と最大2億ドル(約306億円)の契約を締結しており、Claudeは米軍の機密システムで利用可能な主要モデルの一つとされています。もしサプライチェーンリスクに指定されれば、国防総省と取引する全ての企業に対し、自社の業務でClaudeを使用していないことの証明が求められるなど、実質的な排除に繋がる可能性があるそうです。安全方針と軍事利用の線引きを巡る対立は、今後の成長に影を落とすかもしれません。

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