大胆すぎる……。
生成AI「Claude」を開発するAnthropicは、作家らが起こした集団訴訟において、15億ドル(約2222億円)を支払うことで和解に合意したと、サンフランシスコの連邦裁判所に報告しました。ロイター通信が報じています。
訴訟は、Andrea Bartz氏、Charles Graeber氏、Kirk Wallace Johnson氏ら作家3名が2024年に提起したもので、Anthropicが著作権者の許可なく、海賊版サイトからダウンロードした数百万冊の書籍をAIの学習に利用したと主張していました。同社はAmazonやAlphabetの出資を受けており、問題となったのは、そのAI「Claude」が人間のプロンプトに応答するための訓練に使われたデータです。
和解案によると、Anthropicはダウンロードした書籍のコピーを全て破棄するそうです。
和解金の15億ドルは、ダウンロードされた50万冊の書籍に対して、1冊あたり3000ドルに相当します。そして、今後さらに多くの作品が特定された場合、この金額は増加する可能性があるそうです。
原告側の弁護士は「この和解は、AI企業やクリエイターに対し、著作権保護された作品を無断で利用することが間違いであるという強いメッセージを送るものです」と声明を出しました。また、今回の和解は、著作権侵害における回復額として史上最大なのだとか。
なお、今回の和解にはAnthropic側の違法行為に対する責任認定は含まれていません。本件は、OpenAIやMicrosoft、Apple、Meta Platformsなど、著作権保護されたデータを用いたAI訓練をめぐって起きている一連の訴訟問題の中で、初の和解事例となります。
私事になりますが、自炊したPDF化した参考書を、Googleの「Notebook LM」に読み込ませて、チャットで質問しながら勉強に使っていて、とても便利に感じています。自炊は私的複製であり合法だよなと確認しながら慎重に使っているのに、まさか、大胆にも違法ダウンロードした大量の海賊版書籍をLLMの学習に使っているAI大手もあるとは、率直に驚きを感じました。