米Qualcommは、ハイエンドのスマーフォン向けのSoC「Snapdragon 8s Gen 4」を発表しました。
8シリーズの最上位モデルは8 Eliteと命名法則が変更されましたが、8sシリーズは命名法則が変わらず。これは8 Eliteでは独自CPUコアのOryonに変更された一方で、8s Gen 4はARMのCPU IPであるCortexベースのKryoを採用しているからであると推測されます。
CPUのコア構成はCortex X4(最大3.2GHz)×1 + Cortex A720(最大3GHz) ×3 +Cortex A720(最大2.8GHz)× 2 + Coretex A720(最大2.0GHz)× 2でアーキテクチャの世代は8s Gen 3から変更なし。ただし8 Gen 3に近いオールビッグコア構成となり、CPUパフォーマンスが31%向上した上に39%省電力になっているとのこと。
GPUはAdreno 825で8 Eliteと同様にSliceアーキテクチャを採用し、なんと49%パフォーマンスが向上。さらに機能として、リアルタイムレイトレーシングの他、適応パフォーマンスエンジンや、低解像度のゲームシーンを最大4Kまでアップスケール可能なAI超解像秘術に対応しています。
AIエンジンは高速されたNPUとメモリ容量が2倍になったことによる帯域幅の向上の結果、最大44%パフォーマンスが向上したといいます。LLM(大規模言語モデル)のオンデバイスでのマルチモーダル処理にも対応しました。
画像・動画処理を担当するAI-ISPは、最大250レイヤーの写真・ビデオのリアルタイムセグメンテーションに対応。空や人の肌などを認識し、リアルタイムでトーン調整が可能に。8s Gen 3が12レイヤーまでだったことを考えると、大幅にAI認識の性能が向上していることが分かります。このほか、AIノイズ除去を利用して4K 30fps撮影で暗闇の詳細を捉えるナイトビジョン機能や、常時感知機能を実装可能。
5GモデムにはAIアクセラレーションに対応したSnapdragon X75を搭載。最大4.5Gbpsで接続性、スペクトル柔軟性、効率性の高い5G通信が可能。Wi-FiモデムはWiFi 7に対応し、最大5.8Gbpsの通信のほか、イヤホン・ヘッドホンをWi-Fi経由で接続できるXPAN通信をサポートしているといいます。
8s Gen 4はREDMI、iQOO、Xiaomi、OPPO、Meizuといったブランドのハイエンドスマホに搭載される見込みであるとのこと。
初搭載機種はiQOO Z10 Turbo Proで、4月中に発表されるようです。
諸元表は以下の通り。
CPU | Kryo オクタコア (1× Cortex X4 最大3.2Ghz, 3× Cortex A720 最大3.0Ghz, 2× Cortex A720 最大2.8Ghz, 2× Cortex A720 最大2.0Ghz) |
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GPU | Adreno 825 |
対応メモリ | 最大24GB LPDDR5X 最大4800Hz |
対応ストレージ | UFS 4.0 |
Wi-Fi | Wi-Fi 7,802.11a/b/g/n/ac/ax/be |
Bluetooth | Bluetootth 6.0,LE Audio |
カメラ | 最大3億2000万画素対応 1億800万画素@30fps ゼロシャッターラグ 3600万画素トリプルカメラ@30fps ゼロシャッターラグ |
ビデオ | 4K 60fps HDR 1080p 480fps スローモーション |
対応ディスプレイ | 最大WQHD+ 144Hz |