
データSIMも本人確認なしでは買えなくなる。
これまで音声通話SIMには本人確認が必要なのに、データ通信専用SIMは法令上は対象外でした。そのため詐欺で悪用される例も。
そこで政府は3月24日、携帯電話不正利用防止法の改正案を閣議決定しました。
改正案の大きな柱は2つあります。1つ目は、データ通信専用SIMの契約時に携帯電話会社へ本人確認を義務付けることです。従来、法令上、本人確認が必要だったのは音声通話対応のSIMカードで、データSIMは対象外。ただし、一部の事業者は自主的に本人確認を導入していました。とくにSMS付きデータSIMは、SNSアカウント作成時の二段階認証などに悪用されていました。
2つ目は、回線数に関する規制です。個人が利用するには多すぎる回線数を契約しようとした場合、携帯電話会社が新規契約を拒否できる仕組みを導入します。一定の数値上限が示されたわけではなく、通常想定されない回線数への対応という位置付けです。大量の回線を確保して詐欺に使い回す実態への対策です。
気になるのはIoT機器への影響でしょう。監視カメラやGPSトラッカーなど、法人が大量のデータSIMを運用するケースは珍しくありません。総務省の報告書でも、IoT利用や訪日外国人向けプリペイドSIMについては、過剰規制に陥らないよう利便性とのバランスに配慮すべきだとしており、実務上の線引きが今後の焦点になります。
なお、2026年4月には同法施行規則の別改正も予定されており、従来の本人確認書類画像のアップロード方式や転送不要郵便による確認方式が終了し、JPKIやICチップ読み取りを使う新方式への移行が進みます。携帯電話会社にとっては、システム改修と運用フローの見直しが一気に押し寄せる格好です。
改正案は今国会に提出されます。法令上は本人確認の対象外だった回線という穴を塞ぐ動きですが、利便性とのバランスをどこで取るか。法案審議の行方が注目されます。




















