
総務省は携帯電話の値引きや解約条件を巡るルールを見直すため、「利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会」で検証を進めています。第2回会合を1月14日に開催、事業者ヒアリングを実施しました。論点の一つが、回線契約の特典だけ受け取って短期解約し、また別の事業者へ移る「ホッピング」です。
背景にあるのが、電気通信事業法の運用ルールです。通信と端末の完全分離を進めるため、継続利用を条件にした端末値引きを禁じ、値引きにも上限を設けました。あわせて行き過ぎた囲い込みを止めるため、期間拘束は2年まで、違約金も上限1000円という枠組みを設定してきました。
SIMのみ契約のキャンペーンでは、ポイント還元やキャッシュバックを税抜2万円(実質2万2000円)まで実施できます。さらに2024年12月のガイドライン改正で、最大6カ月/税抜2万円までの料金割引を「お試し割」として認めました。一方で、MNP優遇と短期解約が結びつきやすくなるという問題がありました。総務省はこの実態を踏まえ、事業者側の対策や規律の在り方を議論テーマに据えました。
事業者が示した案は大きく2方向です。一つは、短期解約の場合に特典を出さない仕組みを制度として認めることです。例えば、契約時に約束した特典を数ヶ月経過後に渡す、あるいは一定期間に分割して渡し、途中解約なら残りを打ち切るといううもの。もう一つは、継続利用を条件にできない現行ルールが「先払いの特典競争」を招くとして、継続利用条件の一部解禁を求める声です。

利用者側から見ると、今すぐ受け取れる特典が減る可能性がある一方、普通に使うユーザーにとっては、たとえば特典が半年間、毎月付与に分割されるぐらいは大した不便はないはず。
顧客流動性と競争を阻害する「2年縛り自動更新」という大手携帯通信事業者優位の慣行に支配された状況を打破するための改革としては政府の解約関連の規制は一定評価できるものの、やや過剰だった面も否めません。総務省は2026年1月に事業者ヒアリングを行い、夏ごろの取りまとめを視野に議論を進めます。バランスの取れた軌道修正ができるのか、注目です。























