
人よりAIを訓練する方が高コスパ…ってコト!?
OpenAIのSam Altman(サム・アルトマン)CEOが、AIのエネルギー消費を巡る批判に「比較の仕方が不公平だ」と反論しました。インド・ニューデリーで開かれたIndia-AI Impact Summit 2026の関連イベント(The Indian Express主催の公開インタビュー)で、「人間を訓練するにも20年くらいの時間と膨大な食料が必要だ」と述べ、AIだけを槍玉に挙げる議論に疑問を呈したとのこと。TechCrunchなどが伝えています。
The Indian Expressによると、アルトマン氏は2026年2月20日の「Express Adda」で次のように語りました。AIモデルの訓練に要するエネルギーと、人間が1つの質問に答える際のコストを単純に比べる議論は「常に不公平だ」とし、「人間が賢くなるまでには20年の人生と、その間に食べるすべての食料が必要だ。歴史上存在した約1000億人が捕食者から逃れ、科学を発展させてきた進化の蓄積もある」と述べたとのことです。
同氏が考える「公平な比較」とは、訓練済みのAIモデルが1つの質問に回答する際のエネルギー消費と、人間が同じ質問に答える際のエネルギー消費を比べることだといいます。
AIの水消費についても持論を展開しました。ネット上では「ChatGPTの1回のクエリに17ガロンの水を使う」といった主張が広まっていますが、アルトマン氏はこれを「完全に事実無根だ」と否定。なお「ChatGPTへの1回の質問でiPhoneのバッテリー1.5回分の電力を使う」という数字は、インタビュアーがビル・ゲイツ氏の以前の発言を引いて質問したもので、アルトマン氏は「そこまでのレベルにはあり得ない」と返したといいます。
ちなみに宇宙空間へのデータセンター設置案についても触れ、「現時点では馬鹿げている」と一蹴したそうです。打ち上げコストの高さや、軌道上で故障したGPUを修理する難しさなどを理由に挙げ、「少なくともこの10年では規模の面で大きな意味を持たないだろう」と語ったとのこと。
一方で、AIの総エネルギー消費量への懸念は「正当だ」とも認めています。「世界全体で膨大なAIを利用するようになった以上、クエリ単位ではなく総量としての電力消費を心配するのは理にかなっている」と語り、解決策として原子力・風力・太陽光への迅速な移行を訴えたといいます。
国際エネルギー機関(IEA)の「Electricity 2024」によると、データセンターとAI、暗号資産を合わせた電力消費は、2022年の460テラワット時から2026年に620〜1050テラワット時に達する可能性があり、ベースケースでは800テラワット時を超える見通しです。AIのエネルギー消費を巡る議論は、単純な比較で片付く問題ではなさそうです。




















