国内メーカーからは、やっと相応の品質を持った端末がリリースされてきましたが、ここにきてNTTドコモが採用した「ツートップ戦略」により、国内メーカーは窮地に立たされています。
以前より伝えられていた、NECカシオの撤退が現実のものとなりました。同社はスマートフォンを、現行モデルを最後として中止。タブレットは継続、フィーチャーフォンは埼玉日本電気により継続という形になりました。MEDIASブランドを冠したスマートフォンは残念ながらここで途絶えることになります。
また、Panasonicについても、冬モデルの投入を見送るという噂もされており、状況は芳しくありません。
6月頃、携帯ジャーナリストの石川温氏が、「ツートップ戦略」によって国内メーカーに悪影響は出ないのかと質問したところ、NTTドコモの加藤薫社長は「3~4年、(国内メーカーは)同じことを繰り返してきた。作った、売れない、故障する、評判が悪い。ぜひ、ツートップに入るぞという気合を持っていただくとありがたい」と回答しました。
非情にも思える回答ですが、NTTドコモにばかり責任があるとも言えません。早い段階からスマートフォンへとシフトしていたSAMSUNGやSONYに対し、他の国内メーカーは出遅れてきました。故障や発熱、不具合といった多くの問題を抱えたスマートフォンが、国内メーカーからリリースされ続けてきたのも事実で、国内メーカーにも反省すべき点は多いと思います。
ただし、こうした状況に笑ってばかりもいられないのがSAMSUNGです。業界内ではスマートフォンの次期「ツートップ」に、SAMSUNGではなくSHARPが選ばれるとの観測が定説となっています。(BusinessMedia誠)SHARPはPDAやMIDデバイスを古くから投入しており、国産メーカーながらも早い段階からW-ZERO3やIS03といったスマートフォンを精力的に投入、現在はAQUOS PHONEブランドで高い評価を得ています。
SAMSUNGのフラッグシップである「GALAXY S4 SC-04E」は、依然として防水機能や、アドレス帳データの交換可能な赤外線を備えておらず、日本市場へのローカライズが万全であるとは言いがたいです。液晶品質やスペック、解像度で訴求できるユーザには、既にスマートフォンが行き渡っており、結果として、人気が集中したのは、当初は単なる「廉価版モデル」と思われていたSONYの「XPERIA A SO-04E」であったということです。GALAXY S4の販売台数は、XPERIA Aの半分程度と見積もられています。
熾烈を極める国内スマートフォン市場。9月には販売台数200万台に達するとみられるXPERIA A、そしてすぐ後ろに控えているのはAppleの次期フラッグシップモデルiPhone 5S。王座を奪われたSAMSUNG、そしてその他国内メーカーに巻き返しはあるのでしょうか。噂通り、SHARPはツートップに君臨するのでしょうか。今後の動向から目が離せません。
情報元:BusinessMedia誠, 日本経済新聞