ついに登場するiPhone 5sとiPhone 5c。今回はSoftBankとKDDIに加えて、ついにNTTドコモも取り扱いを開始します。
どのキャリアから新型iPhoneを選ぶべきか、考えてみます。
料金
SoftBankとKDDIは既存顧客の誘引を狙う一方、NTTドコモは他社に逃げた顧客を引き戻す作戦に出ている点が特徴です。
NTTドコモは、ドコモから他社にMNPした顧客が、再びMNPで戻ってくると適用出来る「おかえり割」を実施。基本使用料は、2年間0円に割引。(通常のMNPで1年割引、学生のMNPなら3年割引+パケット代金が1050円OFF) また、MNP前に持っていたドコモポイントを機種購入代金から相当額を割り引くことが出来ます。ドコモにiPhoneが無いために、他社に移ったというユーザーには、願ってもないチャンスでしょう。
下取り
こうした各社の方針は、旧機種となったiPhoneの「下取り」にもあらわれています。
iPhone5のエリア誤記問題もあって、下取り額をやや高めに設定しているKDDI。SoftBankとドコモが下取り額を、月々の割引に増額する形で還元しているのに対して、KDDIは機種代金から直接割り引けるというのもポイントです。
たとえばSoftBankでiPhone5の64GBモデルを下取りに出した場合、下取り額は1万8千円ですが、その1万8000円をiPhone 5s/5cの機種代金から直接引くのではなく、1000円×18ヶ月の割引(計1万8000円)を月月割に上乗せする形となります。この点はKDDIが優位と言えそうです。
ところがSoftBankとKDDIが、自社で販売していたiPhoneしか下取りを認めていないのに対し、NTTドコモのiPhone 5s/5cにMNPするとき、SoftBankとKDDIで利用していたiPhoneを下取りに出すことができます。この点にも、他社に流出してしまったユーザーを取り戻したいNTTドコモの計算が垣間見えます。
キャリアメール
NTTドコモは、「@docomo.ne.jp」のメールアドレスを扱うサービス「spモードメール」の開始を、10月1日としています。また当初はプッシュ通知には非対応。来年からの対応となります。
こうしたキャリアメールへの対応の遅れは、SoftBankやKDDIがiPhoneを導入した当初にもありましたから、仕方ないところはあると思います。
LINEやGmailが普及した昨今、必要性の薄れつつある機能ではありますが、キャリアメールを重要な連絡手段としている人は、ドコモ版は少し様子を見たほうがいいかもしれませんね。
機種代金
SIMフリー版のiPhone 5sの価格が$649(6万4800円程度)であるにも関わらず、NTTドコモは9万5760円という正気の沙汰ではない価格を設定しています。
また、全容量で価格を統一するなど、機種代金と通信料金を分離するという建前をもかなぐり捨てており、NTTドコモの価格設定には、何ら評価に値する部分はありません。
NTTドコモ | SoftBank | KDDI | |
---|---|---|---|
5s 16GB | 9万5760円 | 6万8040円 | |
5s 32GB | 9万5760円 | 7万8120円 | |
5s 64GB | 9万5760円 | 8万8200円 | |
5c 16GB | 8万5680円 | 5万2920円 | |
5c 32GB | 9万5760円 | 6万3000円 |
追記:発売当日に改訂がきました。→狂気の価格設定が修正――NTTドコモ、緊急で「プレミア購入プログラム」提供。一括払いの場合、端末代金と月々サポートを減額。
通信品質
現状ではいずれも未知数ですが、今回からiPhone 5s/5cはKDDIの主力としているプラチナバンド 800MHz帯のLTEに対応するなど、LTEに関してはKDDIが優位にあります。
SoftBankはE-MOBILEのネットワークを利用して回線を整備する一方、900MHz帯のLTE対応が4月以降となっています。NTTドコモも今回iPhoneを扱うのは初めてであり、未知数な部分があります。
個人的には、メイン番号をKDDIのiPhone 5に移しているのですが、3G通信や通話品質に耐えられなかったので、NTTドコモへのMNPを考えています。(いくらバズワードであるLTEが整備されても、現時点ではVoLTE対応でない以上、通話のエリアと品質は3Gによる)
iPhone 5sとiPhone 5c
5sは5cに比べ、最新のプロセッサーと指紋認証センサーを搭載しています。
iPhoneを利用していると、iTunesやロック画面のパスコードで頻繁にパスワード入力が求められて、個人的にはそれでイライラすることも多いのですが、iPhone 5sならそうしたパスワード入力を全て指紋認証センサーでスルーできるので、セキュリティ的にも精神衛生上も優れており、絶対に購入しようという動機になります。
あえて選択するiPhone5
iPhone 5cは、A6プロセッサを積むなど、iPhone 5と同等のスペックです。もし5cのデザインをあまり好まず、指紋認証やハイスペックにこだわらないというなら、iPhone 5を手に入れておくのもひとつの手です。
現在、SoftBankとKDDIはMNP一括0円でiPhone 5を販売、特にKDDIはキャッシュバック数万円でばらまいています。
安く、実用的な機種を手に入れるというなら、おすすめなのはSB版のiPhone 5です。
KDDIのiPhone 5は逆立ちしてもプラチナバンドのLTEは掴みませんが、SB版iPhone 5はイーモバイルのLTEが利用でき、5s/5cにおける競争に勝つべく「E-MOBILE G4」の帯域を削って高速化するなど、これらの恩恵を受けることができるからです。
[訂正]初出においてiPhone 5のLTEに関する記述に誤りがありました。900MHz帯のLTEに対応するのは5s/5cのみです。訂正してお詫びいたします。
どの項目を重視するかで、どれを買うべきかが変わる
結局、完璧なサービス、完璧な機種というものは存在していません。自分の重視する部分が多く達成されているものを、賢く買っていくしかありませんね。
すまほん!!でも、いくつか買ってレビューしていく予定ですので、少しでも皆さんの買い物の参考になれば幸いです。