NTTドコモは、iPhone 5s / 5cの取り扱いを正式に発表しました。
そこで気になるのが、iPhoneのSIMロック解除です。
これまでNTTドコモは、NTTドコモの販売するスマートフォンの「SIMロック解除サービス」を公式に行ってきました。2011年の夏モデルから、対象機種を順次拡大しており、自分も新機種を買う度にSIMロックを解除しています。それまではロック解除をするために、業者に預けて改造してもらったり、保証対象外のハックをしたり、といったことが必要でしたが、ドコモショップで3150円の手数料を支払うことでSIMロックの解除が可能となったので、もう危険を冒す必要もありません。
これにより、ドコモ以外の事業者のSIMカードを利用することが可能となるので、一部のマニアだけでなく、特に海外への旅行や仕事の多い人も恩恵を受けられます。海外で現地SIMを契約して、既に持っている機種に挿すというスタイルが、最も安く済む場合が多いからです。こういった素晴らしいサービスを利用できるのは、ドコモのスマートフォンを買った甲斐があったというものです。
今回、NTTドコモの販売するiPhoneは、こうしたNTTドコモ公式の「SIMロック解除サービス」には対応するのでしょうか?
週刊アスキーが問い合わせたところによれば、「現時点ではまだ決まっていない」とのことです。
ちなみに、日本の通信事業者に提供されるiPhoneは、これまでは周波数や通信規格の差異によってモデルが別れていたため、SIMロックを解除しても、国内ではメリットがありませんでした。
しかし日本市場向けのiPhone 5sとiPhone 5cは、NTTドコモ、SoftBank、KDDIの3社とも、それぞれ同一モデルであるため、SIMロック解除をすれば、理論上はどの事業者のSIMカードでも動作するということになります。つまり今回は、消費者の国内および海外における利便性の観点からは、SIMロック解除サービスは、各社導入して然るべきということになります。
もちろん、だからこそ、他の事業者に自社で販売したiPhoneを使わせないために、そして他の事業者で購入したiPhoneを自社のネットワークで使わせないために、iPhoneのSIMロックを提供しないという見方もできます。
さて、外国ではどういった対応がされているのでしょうか。
たとえば北米の通信事業者では、1年間利用したiPhoneについて、SIMロック解除サービスを提供している例があります。買ってすぐには解除できないのは、キャリアから購入すると本体を割安で購入できるので仕方のないところ。それでも最終的にSIMロックを解除できるのはさすがですね。
また、キャリアの公式サービスを使わずとも、解除業者やハックによってSIMロックを解除する行為は、北米では合法化されています。自分の購入した端末を自由に扱えない、好きな端末と好きなネットワークの組み合わせを選択できないのは、おかしいという考え方です。
そもそも北米ではSIMフリー版iPhoneが普通にAppleから販売されているので、SIMロックが不要であれば、初めからそちらを容易に購入することができるわけです。
こうした海外の例を知ってしまうと、SIMロックが当たり前の日本の事情はどうにも不満に思えてしまいます。
既にAndroidスマートフォンについてはSIMロック解除を認めているNTTドコモがiPhoneを扱う以上、こうした閉塞的な状況を打破してくれないだろうかと淡い期待を抱いてしまうところです。