保津川下りを4K録画
Xperia Z5 Compactを1ヶ月ほど使用しています。本機の、4K動画撮影のデビュー戦は、京都の保津川下りでした。わりと長い間撮ってたのですが、特に撮影が熱で中断されるようなことはありませんでした。以下はその一部始終。
内部温度70度超え
むしろmicroSDカードを挿しておらず、容量不足の方が怖かったので、何度か途中で撮影を中断し、残量確認をしていました。さすがに表面温度の計測は不可能だったので、内部の熱をCPU-Zで計測してみると、途中で一部70度を超える場面がありました。
しかし不思議と手で感じる熱はそれほどではありませんでした。自然の中、風を切って川を進んでいるので、機体表面が冷まされたのかもしれませんね。
ネットワーク遮断で発熱抑制
Xperia Z5C自体は平然と動画撮影ができているのですが、さすがにそれにしても内部温度が異常なので、ぶっ壊れるんじゃないかと心配でした。
この時のZ5Cは、電波が弱いのにも関わらずモバイルネットワークで基地局を一生懸命探し、必死にバックグラウンドでDropboxが4K動画のアップロードを試みながら、一応Wi-FiもBluetoothもオンになっていて、しかも4K動画を撮影しているという、最悪の状態でした。そりゃあ高温になるわけです。
このため、試しに全てのあらゆるネットワークをオフにした上で、4K動画を撮影してみました。すると内部温度はどれも60度以下となりました。みなさんも、長時間4K動画を撮影したい場合、ネットワークを全部切るということを試してみてください。機体のポテンシャルを最大限引き出せるかも。
そもそも、スマホで4K動画撮影、必要?
以上、とりあえず外で4K動画撮影はできるという感想です。
ただ、作例動画を4Kテレビ・4Kモニターでご覧いただくと分かる通り、別に精細感は無いです。スマートフォンのセンサーサイズなんて知れているので当然ではあります。負荷をかけ、熱を発し、容量を食う。スマートフォンで4K動画なんて扱いづらいだけです。Xperiaだけの問題ではありません。デジカメやGalaxyなど、そもそも4K動画の撮影時間が5分に制限されている機器もあります。
専用機ならともかく、スマートフォンにはまだ4Kは早く、せいぜいベンチマークテストにしかなりません。どう考えてもFull HDでの録画の方が綺麗に撮れて扱いやすいです。
4K動画撮影時の表面温度を計測
動く被写体(テレビ画面)に向けたまま固定し、10分間4K動画を撮影した上で、表面温度を計測してみました。撮影か開始から10分後、背面の温度は40度ぐらいでした。全体的にほんのり温かい程度で、熱くないです。
Xperia Z4 / S6 edgeと同条件で比較
さて、以前、Xperia Z4とGalaxy S6 edgeで表面温度の計測を行いました。「4K動画撮影5分+ベンチマークテスト2回を行い、表面温度を計測する」という単純なもの。Galaxy S6 edgeの背面は40度を超えない程度であった一方、Xperia Z4は局所的に表面温度47度を超過し、かなり不快な熱さを感じました。
Xperia Z5 Compactを同様の条件でテストしてみました。
結果としてはGalaxy S6 edgeと同程度でした。局所的に極度に熱いということはなく、やはり全部ギリギリ40度を超えるか超えないかぐらい。Z4と異なり、うまく全体で放熱してるんでしょうね。
Galaxy S6 edgeはベンチマークテストでもわかる通り、Z5C以上にハイスペックなモデルです。これと同程度なら、別に許容範囲かなと思います。
熱に関しては努力してるんだなという印象。ソフトウェアアップデート直後の初回起動時、内部温度70度に達することがありましたが、こちらも局所的に熱いということはなく、表面が全体的にほんのり温かいといった程度でした。体感で不快感がないよう、発熱箇所が分散されているのに好感が持てます。
さらなる過負荷で虐めてみる
せっかくなので先ほどの計測の直後、熱も冷めやらぬまま、さらにベンチマークテストを行い、すかさず、新たに4K動画を10分撮影し、表面温度を計測してみました。バックグラウンドで動画のクラウドへのアップデートも走っているはずの状態ですから、鬼畜の所業ですね。まあ、こんな過酷な状況はあまり現実的な利用シチュエーションではないので、あくまでベンチマークですが。
ここまでやると、さすがに表面温度45度以上にまで到達。
しかし、内部温度を計測すると、意外にも、そこまで高温ではありませんでした。相当な過負荷が掛かっていたので、それを検知し、コアの稼働を抑えるなどの工夫がされているようです。
テスト終了後、他のアプリを起動したり、ブラウザなどのスクロールを試してみましたが、多少カクつくものの、Z4ほどではありませんでした。
現実的なシチュエーションからそうでないものまで、色々とテストをしてみましたが、熱で強制終了されるような事態には遭遇していません。デジカメやGalaxyなどのモバイル機器での4K動画撮影は5分制限が存在する場合もありますが、Snapdragon 810搭載にしてはかなり頑張っているのではないでしょうか。負荷による発熱で評判の悪かったZ4を反省材料としたことで、結果的にZ5Cの完成度は高められています。
背面全体で効率的に放熱し、体感の熱も軽減。過酷な状況下でも4K動画撮影を長時間継続できる。Xperia Z5 Compactは、動画撮影やゲームを楽しみたい人でも検討候補に入れることのできる機種となっています。