中華人民共和国当局は、VPN(仮想プライベートネットワーク)を経由し、中国国外のインターネットにアクセスする市民への取り締まりを開始したと、ニューヨーク・タイムズ紙が報じました。
現段階で報告されているのは、新疆ウイグル自治区の住民が、自分の携帯電話サービスが勝手に休眠状態にされていたというもの。
州都ウルムチの住民が、匿名を条件に寄せた情報によれば、SMSを受信したとのこと。その内容は「法律に基づき、2時間以内にあなたの携帯電話番号を遮断する。質問と相談は警察署・サイバー警察まで」であったそうです。
現地携帯キャリアは、この件に関するコメントを拒否しています。
中国のインターネットは、1993年以来、「金盾」と呼ばれる「インターネット版万里の長城(グレートファイアウォール)」によって、国外へのアクセスが規制されています。この規制を掻い潜るには、VPNを噛ませるなどの手段を用いる必要があります。
モバイルインターネットへの取り締まりの動きは、パリ同時多発テロ事件に連動して対策している(または事件を口実にしてネット規制をさらに推し進めている)可能性が考えられます。
人権団体アムネスティ・インターナショナル香港の東アジアディレクターNicholas Bequelin氏は、プライバシーや表現の自由の保護において中国は立ち遅れているとコメントしています。