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HTCが公開した「リンゴを蹴飛ばす」CM、海外で物議。

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 HTCは、積み上げられた白い林檎を蹴飛ばすCM動画を公開しました。The Vergeや9to5Macなどの海外メディアが伝えています。

 内容としては、コンピューターに管理された無個性な市民たちと、そこからの脱出を試みる人たちという、THX1138や未来世紀ブラジルなどのディストピアSF作品によくある世界観のパロディです。AppleのiPhoneが市場を支配している状況を風刺しているものと考えられます。

 1984年、同じようなCMを放送した会社があります。それがAppleです。当時、コンピューター市場で支配的だったのはIBMであり、Appleは挑戦者の立場でした。スターリンの恐怖政治を題材としたジョージ・オーウェルの名作小説「1984」が元になっており、Appleを象徴する女性がハンマーによってIBMの象徴を破壊するというものでした。

 あれから30年経ち、Appleは逆の立場になっていると考えると感慨深いですね。

 CMだけを見ると、単に面白くていいのですが、海外で物議を醸しているのは、このCMが”HTC One A9″と呼ばれる、最近発表された機種に関するものだという点です。

 この機種は、あまりにもiPhoneに似すぎているとして、世界中で話題となった機種です。以下、画像はMoDaCoより。

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 発表直後、The Vergeは本機を「Android搭載iPhone」として揶揄しました。

 そもそもiPhone 6の背面やアンテナラインは、当時先行していたHTC One M7にそっくりだという声があったほどなので、HTCを責めるのもかわいそうな部分はあります。しかしながら、端末下部に集約されたイヤホンジャック・充電端子・スピーカーといった配置などはiPhoneとよく似ており、オリジナリティあるデザインを追求する意思が感じられないので、海外での酷評ぶりも理解できるところ。(実はそのHTC One M7自体も、当時のiPhone, Xperia, BlackBerryにそっくりだと指摘されていた)

 iPhoneの市場支配性・画一性を強烈に風刺するCMでありながら、肝心のHTC One A9がiPhoneの模倣品かのようなデザインというのは滑稽だ、というのが海外での反応です。

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