時事通信が報じるところによると、NHKが2019年からテレビ放送のインターネット同時配信を目指していることについて、これを容認するにあたり、高市総務大臣は3つの条件を提示しました。
- 同時配信を放送の補完として視聴者から十分支持を得て実施する
- NHKの既存業務が適正か幅広く検討する
- 関連団体への業務委託時の透明性と適正性をさらに高める
これら条件をみたすことで、初めて議論の環境が整うと指摘。同時配信の障壁となっている放送法の改正について、視聴者の理解と納得感を得ることが重要で、今の時点で速やかにという段階には無いとの認識を示しました。
3つの条件のうち、1と2については言わずもがなで、3については、多数のNHK関連子会社の話であると考えられます。赤字体質を改善できないNHKは、1982年の放送法改正後、民間の営利事業への出資を認められるようになり、20以上の関連団体が設立されました。
こうしたNHK子会社には、業務委託の名目で競争性のない随意契約が結ばれ、占める割合はなんと9割。こうした形でNHK契約者の受信料が子会社に蓄財され続けており、日本政府の会計検査院の調査から、NHK子会社13社が内部留保している利益剰余金は948億円に上っていることが判明しています。多額の受信料をNHK子会社に移すことで、NHK本体は総務省からの受信料値下げ圧力を拒否。さらに移された先はNHK職員の天下り先ともなっています。内部監査部局の整備も不十分で、不正や着服の温床と化しているというわけです。
こうしたNHK関連団体の問題について高市早苗総務大臣は言及したことになります。関連団体への送金によって、受信料値下げを回避しているにも関わらず、ネット同時配信を口実に、国民からさらに受信料を取り立てようという話でもあるのですから、高市早苗総務大臣の提示した三条件は至極真っ当であり、NHKは真摯に受け止めなければならないと思います。