1インチセンサー搭載の高性能デジカメ、という新ジャンルを築いた開拓者、ソニーRX100シリーズ――。
以前執筆したこちらの記事では、「人気があるのは?」という切り口で訊いたところ、「スマホのカメラからランクアップで購入するユーザー」からの目線が中心となり、RX100の新モデルは「高すぎる」、「キヤノンのG7X Ⅱにボロ負け」というお話をいただきました。
あのRX100シリーズは、そんなにダメなのか?いまや値段が高いだけの存在なのか?いいところはないのか?そんなわけで、RX100シリーズについて、東京都千代田区の家電量販店で訊いてきました。
――RX100シリーズの評判は如何ですか?
一眼レフを持っていて、サブで持ち歩けるカメラが欲しい、という人から好評です。「一眼よりも小さくて本格的な写真が撮れるカメラ」だと、他にもミラーレス一眼という選択肢はありますが、ミラーレス一眼は普段からカバンに入れて持ち歩くのに大きすぎます。ちゃんと「写真を撮りに行くぞ」という時は一眼レフを持っていくでしょうから、一眼レフのユーザーにとって、ミラーレス一眼は中途半端だと思います。
ソニーの特徴として、高速で動く小さな被写体へのオートフォーカスに強いのも、特徴の一つです。RX100M5のオートフォーカス0.05秒は世界最速。それに、小型ながらも有機ELファインダーがついているので、液晶画面の見えづらい日中のアウトドア等でも、被写体をしっかり捉えて撮影することができます。
――それにしても、RX100 M5は高すぎる(税抜11万5,880円)のでは……。
これを「高い」というかは、その人の使い方によると思います。例えば、この作例を見てください。
――……太陽が入っている?!
そう、モロ逆光で撮れるんです!太陽が写真に写りこむのは、普通ありえませんから。これが1/32000秒超高速シャッターの威力です。一眼レフでは撮れない写真が撮れる、というだけで、10万円以上の価値がある、という見方もできます。超高速シャッターは、RX100M4(税抜99,880円)から、搭載されています。
それに、960fps(秒間960コマ)のスーパースローモーションも、RX100M4とM5だと撮影可能です。(※Xperia XZsも対応)
――映画やアニメが24fpsですよね
つまりその40倍スローモーションということになります。プロ用の何十万円もするハイスピードカメラ並の性能なので、実験にも使えます。
――スーパースローモーションの面白い使い方は?
例えば、RX100シリーズ全機種対応、水深40mまで対応している耐水圧カバー(MPK-URX100A)があるのですが、これで、海の中の魚やエビをスーパースローモーションで撮影するとか、どうでしょうか。YouTubeでも再生回数が稼げるのではと思います。
耐水圧カバーの価格も税抜25,290円と、スキューバーダイビングをやろう、という時に「ついで」で手が届くラインです。一眼レフのサブとして使っている人にとって、「一眼レフでは撮れないもの」を撮るということで、これもいい遊び方になります。
編集部雑感:スマートフォンのカメラからのステップアップとして高級コンデジ市場を見た場合、RX100シリーズの新しいモデルは高すぎるという感は否めないが、あくまで一眼レフを持っているカメラユーザーのサブカメラとして見ると、しっかり使えて携帯性も高く、個性的な写真も撮れる、そんな非常に優秀なモデルに映るようだ。 |