野田聖子総務大臣が、携帯大手3社に対して行政指導を行う方針を明らかにしたと、共同通信が報じました。
現在、携帯電話契約者が2年契約の満了時、つまり更新月に他社へMNPで乗り換えようとする際、25カ月目の料金が掛かってしまいます。これを支払わなくても解約できるようにする方針であるとのこと。
携帯各社の提供するプランは、新しいプランほど解約月の日割り計算が効かず、満額請求されるような内容となっています。おそらくこの満額請求を更新月に限り免除させるか、日割り計算させる、といった内容が総務省による行政指導に含まれるのではないでしょうか。
総務大臣の方針は、総務省有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」の報告に基づくものと思われます。日本経済新聞が報じるところによれば、この最終会合の報告書は、携帯大手による2年縛りの自動更新制度が消費者の自由な選択を阻害しており是正が必要であると結論付けているからです。
具体的な詳細は待つ必要があるものの、携帯キャリアに対する行政指導が行われることは確定的と見て良さそうです。
なお、総務省とは別に、公正取引委員会も携帯キャリアを注視しています。特に端末販売の一体化に起因する、「4年縛り」と呼ばれる手法を問題視していると報じられています。
各キャリア関係者も出席した公取委「『携帯電話市場における競争政策上の課題について』の論点のフォローアップ等」の第1回意見交換会は、議事録は非公開であったものの、提出資料からは、「SIMロック自体を掛けるべきでない」「依然として自動更新・期間拘束プランばかりを消費者が選んでいる状況をどう考えるか」「4年割賦のプランは2年縛りよりも強く顧客を囲い込んでいる」といった点について、公取委がキャリア関係者にヒアリングを行ったことが伺えます。
携帯キャリアは今後、総務省だけではなく、公取委からもその販売手法の是非を問われることになるでしょう。