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解説:mineoが悪名高い「通信の最適化」を開始。

mineo、通信の最適化を開始

mineo-logo

 MVNOである「mineo」が、「通信の最適化」を行っているとTwitter上にて話題になっています。

通信の最適化とは

 「通信の最適化」というのは、字面からはわかりませんが、その実態は酷いもので、キャリアがデータ量を減らすために、ユーザーの画像データや動画データを劣化させて伝送するというもの。Exif情報まで勝手に削除していたのだから驚きです。

 当初、スマートフォン向けのゲーム「Angel Beats!-Operation Wars-」にエラーが発生した時、原因が不明だったのですが、ゲームの開発元が調査したところ、エラーの原因はSoftBankの行っている「通信の最適化」でした。

 「通信の最適化」調査サイトも登場。さらにSoftBankだけでなくNTT docomoやKDDIも「通信の最適化」を導入していたことから、一気に大きな話題を呼びます。法的な問題や、各キャリアが当初、販売現場・サポートセンターで「通信の最適化」について説明していなかった実態なども、浮き彫りとなりました。

 ドコモはMy docomo、auは157から解除できる仕組みで、SoftBankはそのような仕組みがないため「通信の最適化」自体を一時中止しました。

mineoの通信の最適化、現在判明している仕様

 mineoの通信の最適化は、解除ができないとのこと。

 輻輳時に実施、としていることから、法的にはあくまで「正当業務行為」として処理したい考えなのかもしれません。SoftBankも当時、そのように弁明していました。

適法性の疑わしい通信の最適化、誰もが納得できる形を

 「通信の最適化」は、ユーザーのファイルデータを改竄して非可逆圧縮するという手法を用いており、著作権法における同一性保持権侵害の疑いがあるのではないかと当時指摘されていました。

 また「通信の秘密」を侵害することになるため、総務省の帯域制御のガイドラインに従えば、適法性の確保には、実施にあたり「通信当事者の個別かつ明確な同意」を得るか、「正当業務行為である」ことが必要です。ユーザーのファイルデータを改竄して非可逆圧縮するという手法を用いていることから、これを「正当業務行為」と呼ぶことには疑問を差し挟む余地がありそうです。

 となれば約款で包括的に行うのではなく、ユーザーにしっかりと説明した上で「個別かつ明確な同意」を得るべきではないでしょうか。

 この件は、過去にWILLCOMが実施していた「通信の最適化」と同種の行為を参考にすべきだと思います。ユーザーの回線速度・ブラウジングが多少高速化されるというメリットもあり、ユーザーは任意で、「オプション」として自ら同意して加入していました。もちろん解除も可能です。ファイルデータが劣化する場合があるというデメリットも受け入れてのことですから、同一性保持権の問題もクリアできるのではないでしょうか。

 事業者はサービス品質を保持するための妥協ももちろん必要かと思いますが、適法に、ユーザーの誰もが納得できるバランスの良い落とし所を探していかなければ、ユーザーの心は離れてしまうのではないかと思います。

サイト運営者は防衛策を

 Webサイトを運営している人からすれば、通信事業者が「通信の最適化」などと称して勝手に自サイトのデータを改竄して届けていることになります。こうした行為は、Webサイト運営者がSSL対応によるHTTPS化を行うことで防ぐことができるので、すまほん!!でも2年以上前の段階で導入済み。セキュリティ的な観点からも、既に多くのモダンなWebサイトが導入しています。

続報:mineo、通信の最適化に影響を受けないHTTPS通信に対して、帯域制御を実施か?

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