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Huawei P20 Proカメラレビュー。みっちり使ってわかった三眼カメラ、ここが良い・ここが悪い

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 Huaweiのフラッグシップモデル Huawei P20 Proの国際版をみっちり使い込んでいます。前回、ハードウェアをレビューしましたが、今回、注目のカメラをレビューしていきます。

トリプルレンズカメラの仕様

 LEICAとの共同開発により、背面にLEICAカメラの命名規則に則ったVARIO-SUMMILUX-H 1:1.6-2.4/27 80ASPH.の刻印あり。スマホなのにLEICAカメラ。ちょっと興奮しますね。このワクワク感、マルゼンがワルサー社と正式提携し、ガスガンのP99を、ガスガンにも関わらず「(実銃の)P99日本市場向けモデル」と位置づけていた感覚に似ていると言えば、わかるでしょうか。きっと読者の9割はわからないですね。(申し訳ない)

 それはさておき、トリプルレンズカメラの構成は、左から2000万画素モノクロセンサー(f/1.6, 27mm)、4000万画素RGBセンサー(f/1.8, 27mm, 1/1.7)、800万画素センサー(f/2.4, 80mm, 光学3倍望遠)となっています。

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 センサーサイズも大型、光学手ブレ補正も搭載、AIを活かした高い撮影能力など、これまでのスマホカメラの常識を打ち破るものとなっています。

自動判定に任せてラクラク個性的な写真を撮影

AI任せのオート判定

 Huawei P20 Proの採用するHiSilicon Kirin 970は、AIプロセッサー 寒武纪1A NPUを搭載。カメラの被写体認識にも利用されています。

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 物撮りなど接写時は「被写体から離して下さい」、手を動かさず固定すべき時は「写真のピンぼけを補正中です…端末を動かさないで下さい」など、こちらに指示してくるのも面白いですね。カメラに詳しくない人でも簡単に扱えそうです。

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「不自然な自然」の表現がいい

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 AIカメラでは、特に草木判定、自然や緑色の表現は秀逸です。ボケと色付けがすごい。デジカメでRAWで撮影しLightroomでゴリゴリに弄ったような画を、AIでいきなり作ってる感じですね。やや不自然で好みが分かれそうですが、個人的にはかなり大好きです。

 緑の表現が特に良いですね。ディテールもしっかりしています。

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 自然の多い中では、かなりパリっとした画になりますね。鮮やかです。

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「飯テロ」、テロに見えないお上品さ

 ご飯と判定したらとりあえず単純に赤色を強くして美味しそうに見せる、というのはスマートフォンのカメラに定番化してきました。

 しかしHuawei P20 Proは少し違うアプローチ。控えめ、それこそお上品。それでも無駄な色付けをしない傾向にあるiPhone Xよりは赤みが強めで美味しそうに見えます。上品な画作りだけど「飯テロ」の破壊力は高い。絶妙な按配。

建造物

 建造物を撮ると特に綺麗だなと感じました。建造物というシーン判定はありません。草木や青空の判定によって強調される感じですね。以下、作例です。

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便利な文書スキャン

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 文章などテキストドキュメントと判定された場合、斜めから撮った場合やズレている場合でも、正面から撮ったかのように補正して保存してくれます。文書をスマホカメラでスキャンしてる人、結構いるのではないでしょうか。個別アプリを入れることなく、デフォルトのカメラでこういう処理をやってくれるのは実に便利です。

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強力なズーム性能!

 光学3倍ズームに対応した望遠レンズを加えた三眼カメラ仕様により、強力な望遠が可能です。情報量の多い4000万画素カメラと組み合わせた画質処理もズーム時の画質劣化を抑えることに貢献しています。実際、5倍までHybrid Zoomにより、あまりノイジーにならずにしっかりズームできています。

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(3倍)

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(5倍)

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(3倍)

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(5倍)

 10倍までのデジタルズームに対応します。

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(3倍)

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(5倍)

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(10倍)

 10倍ズームでも一応見れたものになるのは凄いですね。

FHD/30fpsなら優秀な動画撮影能力

 こちらの動画の4分9秒あたりから、本機で撮影した動画を収録しています。

 iPhoneのデフォルトの録画設定はFHD/30fpsです。これを意識して対抗しているのか、FHD/30fpsで動画撮影する分には、かなり優秀だったりします。特に6軸手ブレ補正がバリバリ効きます。さながらビデオカメラ。

 FHD/60fpsや4Kについては、「弱点」として後述します。

 秒間960フレームのスーパースローモーション撮影にも対応。画質は微妙ですが、アイデア次第で面白い動画を気軽に撮れるのは良いですね。

手持ちでイケる低照度撮影

暗い部屋でも

 感度最大ISO102400にも対応。少ない光でもここまで映ります。手持ち。

全然ブレない、夜景モード

 Huawei P20 Proの凄さは、夜景を撮っても全然手ブレしないことです。AI判定で夜景モードになると、数秒露光。大体4秒前後ですね。「手持ちでここまでいけるの?」と感動することでしょう。4秒露光したらもっとブレるんですが、この機種は本当にすごい。

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 例えば以下の写真であれば、普通のスマホのカメラなら建物内など光っている部分のディテールが白く飛んでしまいがちですが、三眼と合成処理によりそこも含めてしっかり描写されているのがさすが。

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 味のある写真もしっかり撮れます。拡大してもデジカメさながら。

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 以下、iPhone Xとの比較です。iPhone Xよりも明るく撮れていますね。

 上記のようないかにも夜景らしい風景で、わざわざ夜景モードに切り替えて撮ると、三脚前提の夜景モードになり10秒前後の露光が必要になります。この時にはかなり手ブレするので、手持ちのまま撮影するのは難しいです。三脚がない場合は、基本的にAI判定の夜景モードに頼れば、驚異的な手持ち夜景撮影が楽しめるはずです。本格的に撮りたい時には三脚を持参しましょう。

ライトペインティング

 自動車のライトの軌跡などを撮影するのに面白いライトペインティング機能。さすがに三脚があったほうが確実ですが、一応、橋の手すりに手を当てて簡単に撮ってみたもの。それも一応撮れますね。

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逆光時

 何気に逆光時にもしっかり捉えて画にしているのが優秀ですね。花粉倶楽部の比較でもわかりやすいです。

その他作例

他メディアが伝えない、P20 Proのカメラの弱点

AIが未熟

 ダメな部分もあります。AI判定にはまだ未熟な部分があり、思ったとおりに認識しないこともしばしば。

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(鍋を『花』。まあ仕方ないか?)

 鍋を「花」、桜は「雪」として認識、さらに仏像を人間として認識してポートレート撮影に。文革の破仏の影響かと思いましたが、中国国内に仏像が無いわけではないので、単にAIの学習不足かなという感じで、今後のより幅広い被写体のディープラーニングに期待したいところ。

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(AIの認識は誤りだが、まあこれはこれで?)

 テキストを取り込むと文書モード、まれに誤判定しますね。コンビニを斜めから撮ったら、正面からテキストになってしまいました。これ、非ドキュメント判定の普通の画像も残しておいてくれるわけではないので注意です。

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 誤認識の場合どうすべきか?カメラの下部にAIの認識したモードの名称が出るので、その横のバツボタンを押せば、そのシーン判定を解除できます。

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 静止画撮影時のカメラの使いこなしがあまり出来なくても、プロのような写真を作り上げてくれるAI判定。しかし、新たにAIの勝手を理解し使いこなしてあげる、といった観点が必要かもしれませんね。

 AI判定を解除した後、別のシーン判定を手動で指定するということができたらいいのですが、それはできないので、従来のカメラのようにプロモードでマニュアル撮影する必要が出てくる場合もあります。

強みもあるが弱みもある、動画撮影能力

 ずばぬけた静止画撮影能力ばかりが話題になりますが、動画撮影能力が非常に個性的で、注意点を踏まえて扱わないと酷いことになります。

 静止画ではスマホカメラの枠を破壊するほど凄まじい低照度撮影能力を誇りますが、あくまで静止画だけ。あれを期待して暗い場所で動画を撮ると、落胆します。

 また、動画撮影の強力な6軸手ブレ補正はFHD/30fpsモードにのみ効いているというのも大事な点。これに限って言えばビデオカメラのように安定して撮れるのは素晴らしい点。一方で、FHD/60fpsや4K撮影においてはこの手ブレ補正が効かず、かなり揺れます。手持ちでは酔いそうな映像ばかり撮れ、酷いものです。歩きながらだなんて、もう全然ダメ。この点は買う前に明示されてもいいぐらい。全く期待すべきではありません。

 ただし手ブレが効いてないだけで、明るいところで撮る分には、FHD/60fpsでも4Kでも、手持ちではなく固定するなどしていれば、問題なく録画できます。

 普段はFHD/30fpsで動画撮影し、ガッツリ動画撮影したい時のお出かけには、三脚・ジンバルを駆使してFHD/60fpsや4K撮影を行う、という風に棲み分けするのがおすすめです。

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 AIが自然判定した時のようなパリっとしたビビッドな画を撮るには、左のアイコンから色彩を選択する必要があります。まあ、動画撮影中にAIが勝手にシーンをパカパカ切り替えて色味を変えまくっていては、撮影に集中できませんから、録画開始直前に手動で切り替えらる仕組みは妥当かもしれません。

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Tips: カメラ即時起動の方法

 Huawei P20 Proの顔認識、iPhone Xの後追いにしては優秀で、手で持ち上げたときにも顔認識を開始しながら画面を点灯し、ロック画面を解錠してくれるんですよね。横顔でも認識してくれるので、ロック解除が本当にスムーズです。

 ただ、スムーズすぎて、困るのがカメラの即時起動です。Huawei P20 Proはカメラアプリ内で設定できる「ウルトラスナップショット」により、画面消灯時・ロック画面時に音量ダウンキーをダブルクリックすることで、カメラ即時起動が可能です。

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 ところが音量キーをダブルクリックしようとする最中に、顔認識が発動してロック画面が解錠してしまい、音量キーダブルクリックがただのボリュームダウンとして認識されてしまい、カメラ起動に失敗することがあるのです。これが不便です。

 そこで、顔認識に成功してもロック画面を消さないように設定することで、確実に音量ダウンキーダブルクリックでカメラを即時起動できます。

  • 設定→セキュリティーとプライバシー→顔認証→スライドしてロックを解除

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 顔認識に成功しても、ロック画面は表示する。つまりiPhone Xと同じ挙動にするわけですね。

 音量キーをカメラ即時起動やシャッターに割り当てられるのは便利ですので、この辺りの設定も最適化して愛用してあげて下さい。

動画レビュー

 本レビューの動画版で、P20 Proで撮影した動画も収録しています。チャンネル登録してね!

後継機が出ました→Huawei P30 Proレビュー。第一印象と必須設定を紹介

総評:静止画は最強。クセはある

 静止画は本当に最強。AI手持ち夜景や望遠が凄すぎ。逆光でもあまりおかしな画にならない。今後カメラメーカーのコンデジが危うい予感がします。

 最大の魅力でもあるAI判定は、クセがあり、まだ完璧ではないので、AI判定解除やプロモードが必要な場面もあります。かなり好みが分かれると思いますが草木判定のキビキビ感とビビッドな色合いが好きです。

 動画性能は、これまた個性的で、特性を理解し、適宜ジンバル/三脚を組み合わせて使用すべき部分があります。

 私は今後もP20 Proをコンデジ的端末として愛用していく予定です!

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