中国ソニーファンによるXperia論評。

中国人によるソニー論評

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 AppleといえばiOSの優秀なソフトウェア。華為は通信領域で世界1位, 2位。Samsungはチップ、ディスプレイパネル、メモリ領域で覇権を握る。しかしあるメーカーは、多くの「あっと驚く」技術を擁しているにもかかわらず、今のスマホ市場では明らかに「落ちこぼれ」ている……そのメーカーこそソニーだ、という書き出しの記事が中国鳳凰網に掲載されていました。

 前回のXperiaのデザイン論評に続いて、中国の「ソニー信者」による嘆きですが、中国ではソニーの技術が黒魔術ならぬ「黒技術」と呼ばれ、信者による信仰対象になっています。中国のソニー信者の「黒技術」ソニーへの思い入れをご覧ください。

中国ファンからはソニーと言えば「黒技術」

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 やはり筆者も、ソニーといえば第一の印象は黒技術であり、これこそが無数の「ソニーファン」がソニーを愛する原因だと言いきります。

編集部補足
ライトノベル「フルメタル・パニック」の架空技術「ブラックテクノロジー」を語源とする中国ネット用語。先進的な凄い技術に対し敬意や愛情を込めてそう呼ぶ。

 前世紀、ソニーは電子機器、ノートパソコン、携帯電話、ゲーム機で最も凄い会社だったとのこと。

ゲーム機は好調だが、スマホは……

 ところが中国のことわざに、大黄河はよく流れが変わることから「三十年河東、三十年河西」と言う通り、今に至っては、ソニーはゲーム機で気を吐いているが、その他はまるで「弾が切れた」みたいであり、スマホもその一つだと言います。

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 2018年の今日まで、ソニースマホの販売台数は「惨澹(さんたん)」の形容をしても過言ではない。中国市場は小米(Xiaomi)、魅族(Meizu)、一加(OnePlus)などに押しつぶされた。国際市場では、Apple、Samsung、華為(Huawei)に打ちのめされた。今年上半期、ソニーはXperia XZ2を発表したが、中国最大のECサイト京東での評価件数は千にも満たない。発売後すぐに20万を軽く突破した小米8と比べて、やはり本当に「悲惨」であり、ソニー信者の信仰がまったく足りていないと見える、と言います。もはや、中国市場にいないも同然の存在感ですね。

 なお8月28日現在、Xperia XZ2の評価件数は1,400に伸びており、Xperia XZ2 Premiumは500件でした。

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 なお、小米8は……38万件でした。ざっとXperia XZ2の270倍ですね。

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(評価件数)

デザインで遅れを取るXperia

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 ソニーのXperiaシリーズの新モデルは毎回注目に値する「黒技術」が誕生する。しかしなぜ毎年売れないのか?毎年生産停止のうわさが流れるのか?ソニーのスマホはどうしてしまったのか?と、言いますが、中国ではそのとおり、ソニースマホ事業撤退のうわさがちょくちょく出てきます。

 では、ソニーの何がいけないのかについては、もしあなたがソニースマホ事業に興味があるのなら、ソニーが当時大々的にぶち上げた「One Sony」計画を覚えているだろう。この計画はソニー各部門の強みを合わせて、あっと驚くスマホ製品をリリースしようというものだったが、結果は期待を裏切るものだった。ただ理解するに難くない、ある企業の製品が大衆に受け入れられるかのカギは、その企業がどう市場を見ているか、どう消費者を見ており、迎え入れるかにある。よって、ソニーが今のスマホ市場をどう見ているのか、疑問が出て来る、といいます。御説ごもっともですね。読者の皆様も、言いたいことはたくさんあると思います。

 まず、「傑出した」工業設計だと、デザインが最初にやり玉にあがります。2018年、ベゼルレスディスプレイは既に「そういうもの」な「概念」になっていた。ソニーのスマホの見た目がいいかは、人によって意見が変わるため、美醜は論じないこととする。

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 しかしベゼルレスディスプレイが流行する今日、ソニーのXperiaシリーズは旧態依然としていて「昔の製品」という感覚を与える。Xperia XZ2の広い枠ぶち、デコとアゴ、これは他メーカーのベゼルレスディスプレイスマホの中には入っていけない感覚がある。背面の指紋認証の位置も不合理であり、重量は200g前後にまでなった。全体的に一種の「作りこみ感」、一種の「ユーザー目線感」に欠けている、と、言いますがなるほど、「ダサい」と言うまでもなくここまでデザインにダメ出しができるものかと感心させられます。

「独りよがりの技術信仰」

 もちろん一人の「ソニー信者」として、多くのソニー信者から反論があることを知っている、と著者は言います。

 「ソニーには黒技術がある」、「索尼大法好(ソニーは素晴らしい、という信者感のある表現)」などのスローガンが叫ばれるだろう。しかし「黒技術」は「いい市場」があるとは必ずしも結び付かない。4K HDRムービー録画対応、1080Pの960fpsスローモーション撮影と、ハードウェアは強大だ。しかし消費市場からいえば、スペックがいくら強くても、ダブルレンズでないなら、大衆消費者への訴求力はない。営業は販売台数に非常に大きな影響をもつ。世界5大スマホメーカーでは、ダブルレンズは既に標準装備だと言います。ベゼルレスディスプレイについては好みが分かれるところかも知れませんが、ダブルレンズについては、その通りだとしか言いようがありません。

 中国は世界最大のスマホ市場であり、AppleやSamsungも、依然として中国市場を非常に重視している。「切り込み隊長」のXperia XZ2は出るなり敗れ、後から来たXperia XZ2 Premiumもいいところがない。価格の近い華為P20 Proはライカのトリプルレンズで、写真の出来栄えも抜群だ。「他社には4Kディスプレイはない」、確かにXperia XZ2 premiumは4Kディスプレイを使用しており、4Kの解像度は天下無敵だ。しかしいまのところ、大衆消費者は4Kディスプレイを気に留めるのだろうか?4Kは確かに、スマホオタクにとっては刺さるポイントになるかもしれない。しかし、多くの消費者は、何が1080P、2K、あるいは4Kなのかわからない。たとえば奇虎360などのマイナーメーカーが4Kディスプレイ搭載スマホを出したとして、あなたは買うだろうか?絶対に買わない。ユーザーの使用体験を明らかに向上させることがないばかりか、電池持ちが短くなる、といいますが、どうでしょうか?確かに4Kディスプレイが素晴らしい、という意見は、あまり耳にした記憶がありません。

 4Kも、4K HDRムービー録画対応、1080Pの960fpsスローモーション撮影もいいだろう。だがこれらは「痒い所」のイノベーションに過ぎず、実用的な「痛いところ」を突いたイノベーション新機能ではない。いまのところ、ソニーは依然として前世紀の「技術中心」製品理念にある。しかし良い技術は、良い営業と宣伝が必要であり、良い技術が良い市場とイコールであったことはない、と主張します。

日本メーカーだからこその敗因

 最後に、ソニーのスマホあるいは製品への追及も一つの問題になっていると指摘します。日本文化がこだわるのは、厳格さと職務への忠実さであり、このような文化は製造業と完全によく合う。製造業が求めるのは精密であり、ソニーは工業設計、CMOS、ディスプレイなどの部品で優れて精密だ。「職人精神」は日本文化の一つの特徴である。「軸」と理解すればいい、消費者が理解ひいては受け入れるかに関係なく、凄いと思ったら死ぬまでやる、と指摘します。概ね合っているでしょう。

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 ソニーは以前、カラーテレビ技術にかなりの自信を持っていたが、カラーテレビ市場は後発メーカーに譲り渡した。同じ道理で、日系メーカーはある技術を極致にまで磨き上げるのには長けているが、iPhoneのような一般受けする製品には長けていない。錘子科技(Smartisan)の羅も同じことを言っていた。AppleのiPhoneが勝利した要因は、iOSのソフトウェアにある。ソニーのような日系企業はハードウェアの製造に適しているが、ソフトウェアは日系スマホメーカーの苦手なところだといいます。

 ソニーモバイルの営業も非常に気ままだ。日系メーカーの文化として、対面で伝えるのにこだわり、実地での販売に力を入れるが、広告はたまに打つくらいだ。このようなやり方は理解も尊重もするが、今は市場の競争がかくも激烈だ。商業であるからには、営業をしなければならない。飢餓営業定食、アイドル・バラエティ定食などなど。外野はこのような商業行為を大声で批判するが、しかし阻むことはできない、消費者は争って買い求めるものだと指摘します。

 また、日本の携帯電話市場が奇形であることにも言及しています。ソニーは日本企業であり、日本での運営如何も、非常に重要な問題となる。非常に長い間、日本の通信キャリア事業者による携帯電話業界への統制は、驚くべきものだったといいます。

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期待を託して、待つ

 ここまで、一貫してソニーに苦言を呈してきた筆者ですが、市場環境は常に変化するものであることにも目を向けます。10年前、中国市場はまだ海外携帯電話ブランドの天下で、本土は山寨機(パチモノ)が横行する市場だった、たった10年の時間が過ぎただけだ。今はApple iPhoneが国内市場に屹立しているほかは、海外ブランドは既に少しずつ駆逐されていった。もしかすると、ある一言で完璧にソニースマホの現状を言い表すことができるかもしれない、選択は努力よりも重要かもしれない、と主張しています。

 筆者の思いとしては、今も初めてXperia Z5を使った時の興奮を覚えているし、子供の頃に同級生と寝食を忘れてプレステで遊んだことも覚えている。事業を立ち上げて悩んでいるときに、ソニーのイヤホンは「精神的な食糧」をもたらしてくれた。ソニーは我々の世代の人と一緒に成長した、「快楽」「創造」「黒技術」に満ちた科技企業だ。ソニーのCEO平井一夫も、ソニーはスマホ部門を放棄しないと表明していた。

 しかし未来の事業の重心はスマートフォンにならないだろう、ソニーはスマホ業界の中で、一つの席を保ち続けるということだろう。時代が次の曲がり角を迎えるとき、ソニーはその一員になるかも知れないし、主動的立場にあるかもしれない。私はソニーを待ち続ける、ソニーが将来、多くの人々に「快楽」「創造」「黒技術」をもたらす、一台のソニースマホ、一代のソニー文化を……と、あくまでもソニーに期待を託して記事を終えていました。