華為、vivo、OPPOがテレビメーカー参入か?

中国メディアのスマートTVへの考察と、OV華為のテレビ参入の噂

 「テレビ」と「スマホ」、日本や韓国ではテレビを作っていたメーカーがスマートフォンに参入した例が多いですが、その逆は成功するのでしょうか?小米が既にテレビに参入していますが、中国の大手スマホメーカー、OPPO、vivo、華為も「テレビ市場」へ参入するとのウワサが飛び交っています。

 中国「太平洋電脳網」に、カラーテレビ市場、テレビコンテンツ、テレビとスマホの違いなどを含め、その可能性について詳しく論評した記事が掲載されていたので、紹介します。

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 最近、vivo、OPPO、華為等スマホメーカーがテレビ市場の調査をしていると囁かれており、テレビ市場参入を発表する可能性がある。なぜテレビ領域へ進出するのか、関係媒体が分析するに、「スマホ業界の競争が激烈で、利潤が縮小しているため」「主流スマホメーカーによるテレビ領域との連合は、前々から動きがあった」、みたところどれも理はあるが、しかしこの可能性は筆者が見るに、ほとんどゼロだといいます。

もっと早くスマートTVが流行した世界線

 以前、アップルもテレビを作ろうとしたそうです。スティーブ・ジョブズの自伝によれば、ジョブズはアップルの未来4年間の製品青写真を定め、その中にテレビの刑赤くがあったといいます。ジョブズは音楽再生機や携帯電話のように、テレビにも革命的な変化をもたらそうとしたと言います。

 しかし2007年にアップルが初めてリリースした初代Apple TVから第五代Apple TVまで、これらはあくまでテレビに接続するためのセットトップボックスに過ぎません。アップルは伝えられていたようなテレビ製品を出すことはなかったようです。

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 そこで筆者の仮説として、もしアップルが09年前後、スマートテレビが爆発的に集中していたあの数年にアップルテレビをリリースしていれば、今の局面はもしかするとスマホと同じように、Apple tvOSとAndroid TVが割拠する趨勢になっていたかもしれないと指摘します。もし2013年前後、OLEDテレビが勃興したあの数年に、アップルが大型OLEDパネルに投資し、まったく新しいOLEDテレビを開発していれば、もしかすればアップルテレビは今のLGの地位にあり、OLEDテレビ領域を支配していたのではと言います。

Apple TVの低迷

 アップルはテレビを捨ててはいないが、この部門の周辺化は既成事実になっている。アップルはまだまだ実力があるが、テレビ業界の2つの重要な転換点を逃し、すでにアップルがこの業界のトップランナーになることは保証できない。ジョブズならここで冒険をしたかもしれないが、クックはしないだろうと指摘します。

 アップルはテレビ業界に踏み込まなかっただけでなく、ビジネスエコシステムを掲げたインターネットテレビでも近年、落後していっているといいます。

スマートテレビの普及

 芽生え始めてから頂点まで、インターネットテレビ端末は僅か2年を要したのみ、低廉な価格でありながら小洒落たレイアウトと豊富な内容資源により、インターネットテレビの敷居を下げ、生産ラインがなくても代理生産がある、資源がなくてもブランドを探してコラボする、という状況になったことにより、多くの企業が参入していったと言います。日本のテレビメーカーとは、あまり関係ない話ですね。

 かつてインターネットテレビは「価格戦」と新たなビジネスモデルによって投資人を募り、テレビ産業の中心になったものの、内容版権法規の規範や、パネル価格の高騰などにより、ビジネスエコビジネスの成功によってハードウェアを補う値下げにも限界が生じたと指摘します。インターネットテレビメーカーも力及ばぬ感があり、楽視(LeTV)、暴風(Baofeng)、風行(Funshion)、看尚(CANTV)などのブランドも明らかに坂道を下り始めたといいます。

テレビメーカーとしてvivo、OPPO、華為が向かない理由

 vivo、OPPO、華為はなぜテレビ生産に向いていないか?これについて筆者は、以下のように指摘します。

  1. テレビは消耗品ではない。毎年スマホを買い替える人は多いが、毎年テレビを買い替える人はふつういない。
  2. テレビは電子製品ではない。液晶パネルは電子製造業だが、液晶とバックライトは高精度の加工製造であり、処理チップと電子は少しは関係しているとはいえ、1台のテレビの原価のうち8割はパネルからきている。ムーアの法則どおりにはいかず、消費リズムもスマホほど早くない。
  3. テレビ市場固有の実力は動かしがたい。以前スマホが勃興し、多くのインターネットブランドが従来型携帯電話ブランドが取って代わった。一方テレビ市場をみるに、新参メーカーは従来のテレビブランドによる地位を取って代わることはできないし、スマートテレビ市場の占領に至っては論外であり、多くはスマートテレビ発展の「人柱」となった。スマートテレビとスマートフォンは多くの機能に類似性があるものの、属性はやはり異なるところがあり、市場でのパフォーマンスにも差異がある。スマホの膨大な消費市場と比べてスマートテレビの市場はかなり小さく、もともとのテレビ市場もメーカー数が過剰であり、それぞれのテレビメーカーの実力も弱くなく、地位を容易に揺るがすことはできない。
  4. テレビ市場はパネルが王者。スマホが新たに興った時、機器全体のサプライチェーンに比較的大きな変化が発生し、また、新興のスマホブランドがサプライチェーンを選択するにあたり、そのほかのスマホブランドも相対的に平等なスタートラインに立つことができた。一方テレビ業界は、液晶パネルはずっとテレビ原価の「大物」であり続け、従来型テレビブランドが既に掌握するサプライチェーンが優勢であり、新興ブランドにとって致命的な落とし穴となった。
  5. スマホとテレビの属性の違い。スマホは携帯電話の機能属性を根本から変えた。通信設備からモバイルインターネットデバイスへと。スマートテレビの最終的な本質はやはり視聴機能にあり、その他スマート機能は付属価値の域を出ず、また、テレビの主流なディスプレイ技術は従来のテレビメーカーがしっかりと握っていることから、インターネットテレビメーカーが従来型テレビメーカーの地位を取って代わることは有り得ない。
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機会はある、ただし次の産業転換点を待たねばならない

 インターネットテレビが勃興時期の特性については、あのころは丁度スマート化が膨張する時代であり、テレビもスマート化、インターネット化に追いつき、通信技術が人と人とのリンクを変え、スマート技術が人と物の間のリンクを変えた、インターネットテレビもこの波のひとつだと言います。

 スマホメーカーによるスマートテレビ製造参入については、次の技術革新の波を待たねばならないといいます。しかし現状から見るに、中国のカラーテレビ市場は深刻な生産能力、パネル、製品等の過剰情況にあり、市場全体が飽和し、従来ブランドのインターネット製品も縮小しつつあり、たとえば「酷開(coocaa)」もテレビから撤退し、システムと内容のみを提供するようになったと指摘します。

 ここで気になるのは、「次の波とは何か?」ですが、これについて筆者は、モノのインターネットが発展して久しく、この趨勢次第では、テレビの大画面の優勢によってテレビの他の家庭の中枢に成り得るといいます。

 ほかにも、手の動作識別、顔面識別、声紋識別技術の突破により、テレビ操作が普通のリモコン操作に縛られることがなくなり、家庭と言う比較的プライベートな場面で、多種多様な双方向方式による「無心理障碍」運用(心理的バリアフリー操作)が可能になるとも言います。

 今のところの好材料として、テレビのインターネット化、スマート化により、インターネットテレビサービスは、各種バラエティ番組など、コンテンツサプライチェーンでの価値が高まり、若者は徐々にテレビ画面の前に戻ってきているとか。

 現時点で中国スマホメーカー各社がカラーテレビ製造メーカーとして参入するのは難しいようですが、インターネットテレビのコンテンツ・製品が進化し続ける中国市場では、今後、参入の機会も発生する可能性はあるようです。

 また、「若者のテレビ離れ」とはいいますが、提供するコンテンツ、視聴するテレビの両方が進化することで、テレビ画面の前に若者を座らせることは可能なようですね。