先程GoProより新モデル、HERO7シリーズが発表されました。HERO7はBlack、Silver、Whiteの3モデルで展開されるようですが、それぞれどう違うのか。そして前モデルのHERO6 Blackからどう変わったのか。それぞれ比較・解説したいと思います。
Index
3モデルについて
今回HERO7はBlack、Silver、Whiteの3ラインナップで展開されます。Black・Silverといった色の名前が複数使われるのはHERO4以来かと思います。
Blackがハイエンド、つまりは一番性能が良く、高価なモデルです。Silverはミドルクラスのモデル、Blackと比べて若干機能が劣るものの、一般使用でそれほど困ることはないだろうというモデル。そしてWhiteはローエンドモデル、最も安価なモデルです。機能も最小限に押さえている分値段もかなり抑えているモデルです。では、各々細かく紹介していきます。
GoPro HERO7 Black
大きな変更点としてかなり強力になった手ぶれ補正です。HERO5で初搭載されHERO6で強化された手ぶれ補正ですが、正直なところ手ブレが抑えられているものの、まだ不自然な挙動が否めませんでした。しかし、モーターの振動といった一定間隔の揺れには強いという、得手不得手があるなといった感じでした。しかし、新しくなった手ぶれ補正「HyperSmooth」は見ている感じ、どのようなシーンにも強くなって、公式でもジンバルがいらないと謳われているほど強力なようです。
またこのHyperSmoothを生かしてTimeWarpビデオ(ハイパーラプス:移動しながら撮影するタイムラプス)も簡単に撮影できるようになっています。ハイパーラプスを撮影する際は一定間隔に移動して決めた軸から動かさないなど、若干のテクニックが必要なのですが、それらすべてを単体で撮影可能にしてしまうほどの機能です。
新たにライブストリーミングも可能になりました。現在ホームページで確認できるのはFacebook Liveのみですが、ホームページ下部にはRTMPを利用してその他サービスでも配信ができると説明されています。その場合YouTubeやVimeo、Twitchや中国のBILIBILI、HUYAなどでも配信ができるようです。配信できる解像度は480pまたは720pに限定されるものの、体や車にセットしたGoProにポケットにいれたスマホで手ぶらのライブストリーミングできるのはハードな動きにも耐えれるGoProならではですね。
簡単にきれいな写真を取ることができるスーパーフォト機能が搭載されます。HDRやノイズリダクションなどその場に応じて自動的に綺麗な写真を撮影することができます。あとで編集や加工を必要とせず、簡単に手軽にちょっと彩度が高めで解像感のある広角な写真を撮ることができます。転送して編集せずともそのままシェアできるクオリティが出来上がっているのは良いですね。
メインのチップはHERO6 BlackやFusionで採用したGP1チップを引き続き採用しています。バッテリーは1220mAhの交換式バッテリーを搭載しています。容量が変わっていないため、おそらくHERO5 BlackやHERO6 Blackのものと互換性があるかと思います。これらの仕様を見る限り、内部での性能向上は見られないようです。
GoPro HERO7 Silver
価格は49,800円で9月30日より販売開始予定。
SilverはBlackから大きく削っています。画素数が約1200万画素から1000万画素へダウン。バッテリーは取り外しできないようになっています。そしてHERO7 Blackの新機能であるHyperSmoothは利用できませんが、最低限の手ぶれ補正は利用できます。撮影可能な解像度は4K(30フレーム)、1440p(30フレームまたは60フレーム)、1080p(30フレームまたは60フレーム)と大きく制限されています。画角はすべてワイドに固定されます。変更は一切できません。そして新機能のTimeWarpは利用できないようです。
写真面では、新機能のスーパーフォトやRAW形式で画像保存、長時間露光撮影などができないようです。
本体仕様としては、GPSは搭載されているので、位置情報を利用した機能は利用できます。ただ、GP1チップは採用されていません。HDMI端子がありませんので単体で映像出力ができません。これらを見るに、HERO5 Blackの機能制限モデルと考えるのが妥当かと思います。
価格は37,800円で9月30日以降発売予定。
GoPro HERO7 White
WhiteはSilverから更に機能を省略したモデルです。画素数は約1000万画素とそのままですが、ビデオ撮影は1440p(30フレームまたは60フレーム)1080p(30フレームまたは60フレーム)と究極にシンプルになっています。こちらも画角はワイドに固定されています。
写真はSilverと機能は同等のようです。本体仕様としてはSilverから更にGPSが省略されています。
価格は27,800円で9月30日以降に発売予定。
ざっくりまとめ
要約すると以下のようになります。それぞれ4つに絞って書き出すとこのようになります。
HERO7 Black
- ジンバルいらずの手ぶれ補正。
- ハイパーラプスが簡単に撮れる。
- ライブストリーミングできる。
- 他はHERO6 Blackと同じ。
HERO7 Silver
- HERO5 Sessionの機能制限版。7 Blackの新機能は一切利用できず。
- バッテリー交換できない。
- 4Kは撮れるけど30pで画角はワイド固定。
- 高度な写真は撮れない。
HERO7 White
- ワイドなフルHDのビデオが撮れる。
- GPSない。
- バッテリー交換できない。
- マジでオススメできない。
HERO6 Blackから乗り換えるべき?
正直なところHERO6から乗り換える利点が少ないです。新機能として提供されている強力な手ぶれ補正も対応している動画解像度が記載されていないことを考慮すると、一部の解像度は対応していないのではないかと思います。(そもそも本当にジンバル不要と謳うならKarmaがただのバッテリー搭載グリップになるので、Karmaにアドバンテージをもたせると考えれば4K60pや240fpsではHyperSmoothが利用できないのではと睨んでいます。続報が入り次第再度お知らせしたいと思います。)
そしてTimeWarpも手軽に撮れるハイパーラプスとしてはすごく魅力的ですが、そのために乗り換えると言われると微妙すぎるポイントです。
ただ、HERO6 Black以外からの乗り換えならかなり満足できるモデルに仕上がっていると思います。HERO6 Blackは発売当初6万と高価な値段で販売されましたが、今回のHERO7 Blackはその反省か、5万円を切る価格で販売されています。この値段ならHERO5 Blackのアクセサリもほとんど活かせるので乗り換えようかなと検討できるのではないでしょうか。
過去にHERO5 Blackを使っていてSilverやWhiteがかわいい、おしゃれという理由で乗り換えてしまうと、性能面で後々後悔することになるかも知れないです。HERO5 Blackから乗り換えだと逆にスペックダウンしてしまうので自分にあった機種をよく選んで購入することをオススメします。
改めて問う、GoProの今後
身売りが検討されつつも買い手がつかないと言われているGoProですが、そんな厳しい中の3モデル展開になりました。どんなモデルかと蓋を開けてみればHERO7 BlackはHERO6 Blackのハードウェアはほぼそのまま。SilverやWhiteはおそらくHERO5 Sessionをこの形状に作り直した機能制限版ではないかと思う内容でした。
廉価モデルを出すのが悪いというわけではありませんが、購入するときに廉価モデルで選択肢があると複雑に見えてしまい敬遠されてしまう可能性も否定できません。それこそスマホで十分と思われても仕方ないかと思います。そして廉価モデルのポジションを狙うWhiteが高いのです。日本円で27,800円、これならもうちょっとお金を出して3万円台で販売されているHERO5 Blackを購入したほうがはるかに有意義だと思います。
それにハイエンドで搭載されているスーパーフォト機能、これこそ廉価モデルに搭載するべきな機能の一つだと思います。複雑な機能が理解できていればBlackが選択肢になり、購入すると思うのですが、廉価モデルを買う層は難しいことはわからず、撮れればいいと思い買う層だと思うのですが、そういう層こそ、簡単に綺麗に撮れれば満足度が上がり、「やっぱGoProは違うんだな、次はもっと上のモデルを買って高いレベルに挑戦してみよう」となるのではないでしょうか。中華の激安アクションカメラが大量に流通している現状にこの値段をGoProブランドだけで売るのは無理がありすぎると思います。だからこそGoProの旨味を廉価モデルにも搭載するべきです。
また残念なことに上位モデルであるBlackもハイエンドなユーザを意識したモデルかも知れませんが、スペックシート上、ビットレートや性能向上も見られないので画質面で進化も望めません。
筆者のオススメ
安価でいろいろ試したいならGoPro HERO5がAmazonで3万前半で購入できてオススメです。SilverやWhiteを買うより遥かに安くて有意義です。ハードな手ぶれ補正を求めないならHERO6 BlackもAmazonなら4万5千円程度で購入できるので、オススメです。ホームページを見るにHERO7シリーズ販売開始と同時に5、6シリーズは販売終了となると思うので今のうちにお買い求めください。