ついにiOS 12が一般向けに公開されました。今回iOS 12で便利!オススメ!と感じた新機能や体感的なところなどを紹介したいと思います。
※iPhone 7 PlusにiOS 12正式版を導入して検証しています。
Index
オススメしたい新機能
iOS 12は新機能の追加は最小限に押さえて、パフォーマンスの改善や使い勝手の向上を主にしています。そのため目立った機能はそれほどないのですが、その分iOS 11からアップデートすると動作の改善っぷりや使い勝手の良さにびっくりすると思います。
パフォーマンス
アップデートしてすぐの状態はやや重たいのは恒例のこと。数時間ほど経ってじっくり触ると文字入力の速さ、カメラの立ち上がりの速さ、アプリの起動の速さなど頻繁に使う機能で大きく感じると思います。
あまりの動作の良さにまだiPhone 7 Plusで更に2年使えるじゃんコレ!と思ってしまい、先週新たにケースを注文してしまったくらい動作が快適です。(しかしApple Eventを見てるとXs Maxが欲しくなってしまい予約したのは内緒)
AR 拡張現実
AR、拡張現実と呼ばれる端末を通して現実にはないものを見たり使ったりすることができる機能です。このARに関する開発キットがiOS 11で導入されたAR Kit。それが今回AR Kit2へ強化されます。
正直これらは開発者向けなのですが、私達一般向けで体感できる機能としてはたくさんのアプリで恩恵を受けることができると思います。例えばIKEAのアプリでは実際の買おうか悩んでいる家具をiPhoneの画面を通して自分の部屋に試しに置いてみることができます。買ったあとに大きすぎた、イメージと違うといったことが減るかも知れません。
関連:革新的ARショッピング。Shopify、ブラウザで商品を現実投影
また、ゲームでは複数人でARゲーム対戦が可能になります。先日のApple Eventでもありましたが、なにもない机の上で複数人でiPadを通してゲームをしているシーン。周りの人からすると何もないのですが、自分だけにその世界が見えているってちょっとかっこよいと思いませんか?
ちなみにiOS 12からは自分で作った3D オブジェクトをSafariやメールなどを通して展開することができます。先日Twitterで話題になったこのサイト。iOS 12にアップデートしてからアクセスして好きなオブジェクトを選択すると、空間にそれらのオブジェクトを置くことができます。
このような高度なAR機能を見ていると、セカイカメラ帰ってきてくれ!と思っているのは筆者だけでないはず。
※AR Kitが利用できるデバイスはiPhone 6s(A9プロセッサ)以降及びiOS 11以降が必須です。
https://www.apple.com/jp/ios/augmented-reality/
https://developer.apple.com/jp/arkit/
スクリーンタイム
発表されたときは「子どもの使いすぎを防ぐ機能かなあ」程度にしか思っていなかったのですが、いざ使ってみると自分がいかに時間を浪費しているか改めて知らされます。
このグラフは設定から毎日1時間ごとに見れるのですが、この日のこの1時間のうち44分はiPhoneを手に持っていることがよくわかります。それだけではありません。何回iPhoneを持ち上げたか、どのアプリの通知が多いのか、これらの情報を自動で算出してくれます。
データを見ると1日のうち、どれだけスマートフォンに依存しているのか改めて実感させられます。そのデータを元に通知の回数が多いアプリは通知を減らすように設定しよう、効率よく使おうとなりました。必要ない通知を減らすことでバッテリー持ちも改善できるのでこの機能を活用していきたいですね。
そしてトドメが、iCloudでログインしているデバイスすべての合計時間を算出してくれます。つまりこの時間はiPadで何をしてiPhoneで何をしたと1日の総合時間が算出されます。恐ろしい恐ろしい……。
定期的にスクリーンタイムの通知が送られてくるので、3D touchするだけで簡単に確認できるのも良いところ。
バッテリー
そしてバッテリー情報が詳しく、より細かく表示されるようになります。iOS 11まではバッテリーの%表示、省電力、バッテリーの状態(ベータ)と機能も項目も少ないお粗末な状態でしたが、iOS 12からは24時間以内のバッテリー利用情報をグラフ化して表示します。これもスクリーンタイムと同様、1時間別でどのアプリを使っていてバックグラウンドで動いていたか事細かく表示されます。
これを利用することで、何が原因でバッテリーが消費されているのか原因を簡単に特定できる上、どのアプリがバックグラウンドで動いているのか簡単に確認することもできます。例えば筆者の場合ですとバックグラウンドでOne DriveとSwarmが頻繁に動作していることがわかります。便利!
そしてバッテリーの状態はベータだったものが今回から正式版として利用できるためベータの名前が外れます。
バッテリーの最大容量が80%以下になると、ピークパフォーマンス性能をキープすることができなくなり、自動的に性能が制限されて、バッテリーが長持ちする設定になる、というもの。その基準を簡単に確認できるものです。
通知のグループ化
通知がグループ化されます。同じ通知で通知センターが占領され、他の通知を見逃したりすることを防ぎます。アプリケーションごとに通知がまとめられ、新しい通知のみがグループ化されずに表示されます。
またあまりに通知が多すぎる場合や通知設定を変更したい場合はPOP(3D touch、また非対応機種の場合は長押し)で右上のメニューボタンを押すと通知は来ないけど通知センターに通知が残る設定や、完全にオフにする設定をワンタップでできます。
Siriのショートカット機能
Siriにあるキーワードを登録することで予め登録していた機能やサードパーティのアプリの機能を呼び出したり、ロック画面に提案したりするようになります。
例えばSiriにいつもの音楽を流してといえばセットしておいたプレイリストを再生したり、仕事のアラームといえば6時スヌーズで、休みの日のアラームといえば9時にスヌーズなしでといった自分好みでSiriをカスタマイズしたり、仕事で往復する経路をサードパーティのアプリで検索するように、予めセットした動作を行うことができます。以前Appleによる買収で無料化したWorkflowがiOSにうまく組み込まれできる幅が大きく広がった感じです。Homekitや日本未発売ですがHomePodsなどとうまく組み合わせれば便利なこと間違いなしの機能です。
※Workflowは9月18日のアップデートでショートカットに名称変更、及びAppleよりリリースされています。
以上筆者がオススメしたい機能です。以下、iOS 12の新機能を簡単に紹介します。
細かい変更点
iBooksが名称変更でApple Booksになります。また株価とボイスメモアプリがiPadにも提供されます。個人的にはiPadが登場した2010年から今までなかったこと不思議でしょうがないのですが。
SMSに送られるワンタイムパスワードをSafariに自動的に入力してくれます。いちいちアプリを切り替えて確認したり数字を覚えたりする時代はさようなら!
日本ではまだ馴染みのないCarPlayですが、そのCarPlayで他社製アプリが利用可能になります。現状、Google Mapが対応予定です。
ミー文字機能が提供されます。自分オリジナルの絵文字を作ってFacetimeやメッセージで送ることができます。Galaxy S9にも似たような機能がありましたね。
これはもう少し後になるのですが、FaceTimeは32人同時通話が可能になります。またメッセージのグループスレッドで通話が始まっていればあとから通話に参加したりすることができます。
おやすみモードがより高度になります。1時間だけ、今日の夜だけ、この場所から出るまで、イベントが終わるまでと選択肢の幅が増えました。音楽ゲーム中、仕事中、映画館で、など様々なシーンで利用できそうです。
アップデートした感想
今回はiPhone 7 Plusをアップデートして利用していたのですが、iOS 11と比べて体感的に動作がよくなっていると感じるところが多々ありました。特に文字入力の快適さは桁違いに良いです。入力で待つということは圧倒的に減り、アプリがフリーズするということも少なくなりました。今までのアップデートはちょっと重たくなるけど、新機能が増えるししょうがないよね、という感じでしたが今回のは違うなと感じました。
とはいえ、筆者の環境ではまだ一部アプリが動作しないということもあるので、物好きでない限りアップデートはちょっとだけ様子見することをオススメします。自分が頻繁に利用するアプリは問題ないか、対応アップデートがされているか要チェックした後、しっかりバックアップをとってからOSアップデートをしましょう。
そして、もし中古でiPhoneを探しているのであればiPhone 7 Plusはすごく狙い目な端末かと思います。iOSデバイスでも7 Plusと8 Plus、XしかないRAM 3GB搭載端末であること、ポートレートモードが利用可能であること、FeliCa対応であること、そして防水であること。iOS 12のおかげで、動作も良くなり、基本機能面でも長く使えるポイントが多い端末ですので、もし安価でiOSデバイスが欲しいのであればiPhone 7 Plusが一番の狙い目かも知れませんね。
iOS 12はA7以降のチップを搭載したiPhone 5s以降のデバイス、iPad Air以降及びiPad 2 mini以降、第六世代iPod touchに対応します。