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政府、ブロッキング法制化断念。ただしリーチサイト規制や静止画ダウンロード違法化が俎上に

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 日本政府は、海賊版対策として検討してきたブロッキング(接続遮断)について、今月下旬の国会への提出を断念したと産経新聞が報じました。通信の秘密を侵害、日本国憲法に違反する可能性があることから、法制化を時期尚早と判断したとのこと。

 海賊版サイト対策については広告出稿の抑制など含む総合対策にて対応。総合対策には将来的に対応しきれなかった場合にはブロッキングの必要性もあるとは明記されているとしています。2月にも工程をまとめるとしています。

 ブロッキングはカドカワの川上量生社長が強力に推しており、3~4年前から政府会合でブロッキングを主張、他の出版社にも説いて回り、NTTにスラップ訴訟をけしかけるなど、ブロッキングを主導してきました。NTTがブロッキング実施を宣言する場面もありました。

 しかし今回のブロッキングは通信会社に「忖度」を迫る、極めてプロセスに問題のある形式であり、違憲・違法の疑念は拭えず、他にも様々な対策があるので緊急避難にはなりえない、そもそもブロッキング自体の効果が疑わしく害のほうが大きいこともありえるなど問題だらけでした。法制化断念は当然と言えます。

 投資家・作家の山本一郎氏によると、途中から川上量生氏が審議から外されていたとのこと。

 ところで、この論議の途中では、なぜかカドカワ株式会社の川上量生さんが審議のメンバーから無事外されていたようで、一連の議論ではブロッキング推進派の枢軸として大暴れしていた川上量生さんが表舞台に出なくなったというのは非常に残念なことです。

川上量生さんが目指したブロッキング法制化が断念となり、終わる:川上量生さんとの訴訟を生暖かく見守る会 – ブロマガ

 なお、当の川上量生氏は、政府のブロッキング法制化断念と時を同じくして、自らのTwitterアカウントを削除したようです。

 関係者、国民にとって、喜ばしい一歩であり、これでようやく通信業界と出版業界は手を取り合って海賊版対策、次のステージへと進めると言いたいところ。海賊版対策の様々な試みや便利な正規サービスを応援していきたいです。

 ただし気になるのが、総合対策には静止画ダウンロードの禁止やリーチサイト規制が含まれているという点。これらも弊害が大きく、十分議論されて然るべき問題ではと思います。

 山口貴士弁護士は、静止画ダウンロード違法化について、効果がない・文化の発展を阻害・日本企業と研究者の国際競争力低下・ネット情報の質低下・権力の濫用という5つの観点から反対しており、みなさんもぜひ読んでいただきたいと思います。

 一般社団法人インターネットユーザー協会もリーチサイト規制・静止画ダウンロード違法化に反対意見を出しています。

 これらも非常にセンシティブでバランスが重要な問題だけに、今後も注視していきたいところです。

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