海外メディアEE Timesは、Huaweiの最新フラッグシップスマートフォン「Huawei P30 Pro」の分解レポートを公開しました。分析担当は仏System Plus ConsultingのStéphane Elisabeth氏。
Huawei P30 Pro分解
4つのCMOSセンサーがソニー製
カメラセンサーにRGB配列ではなく、新たに多く光を取り込めるRYYB(赤/黄/黄/青)配列を採用したと謳うP30 Pro。メイン、広角、潜望鏡型望遠、ToFのクアッドレンズカメラ構成となっているわけですが、これら4つのカメラのCMOSイメージセンサーは全てSony(ソニーセミコンダクタ)製であったとのこと。
メインと広角にはRYYBフィルターを採用。Huaweiは発表会においては「3年かけてカメラセンサーメーカーとRYYBセンサーを共同開発した」と発表しつつ、共同開発先の具体的な社名は明かしていませんでした。
Sony製ToFカメラはOPPOに続く採用ですが、P30 ProのToFの用途として、ARだけではなくオートフォーカスにも用いられており、これは初だとのことです。
潜望鏡型カメラ、イスラエルメーカーの技術
45度反射し、横型に配置された潜望鏡型光学システム。これはイスラエルのCorephotonicsの技術で中国メーカーSunny Optical Technolog製が開発したと分析しています。
HuaweiとLeicaだけではなく、SonyやCorephotonicsの技術も加わり、この四眼カメラは構成されているというわけですね。
そういえばXperia 1は……
トリプルレンズカメラを搭載するSony MobileのXperia 1は、メインはSony製ですが、噂では残りの2つはSamsung製であると伝えられています。P30 Proにはソニーセミコンダクタの気合の入った製品が供給されるのに、ちょっと不思議な感じです。
これは筆者の勝手な推測ですが、キャンセルされたと海外メディアに報じられているXperia XZ4は、当初おそらくシングルカメラを予定していて、その予定でソニーセミコンダクタにセンサーを発注していたのだけれど、それではモバイル事業の立て直しは不可能だから、多眼カメラのXperia 1を開発したものの、2番目と3番目のカメラセンサーについてはソニーセミコンダクタ側の供給が間に合わなかったという可能性もあるのではないか?……と考えています。
ソニーのカメラα(アルファ)にはセンサーを優先供給しているように、その流れをXperia Zシリーズの頃はやろうとしたのですが、結局あまり続かなかったことがあります。やはりソニーセミコンダクタとしても利益を考えれば、他社であれ数の捌ける方を優先したいでしょうからね。
逆に考えれば、そうした事情やしがらみを無視してまでも、Xperiaを新たに1から作り直さなければならない、新たな経営陣と開発チームの不退転の決意があったからこそ、Xperia 1のカメラはSamsung混成であるとも言えます。今後、Xperiaのカメラでセンサーレベルから先を行きたい、そう思った時にソニーセミコンダクタから全面協力を得るためにも、Xperia 1を商業的にも成功させ、次につなげていく必要があると言えるでしょう。
消費者としては四眼のP30 Proも、映画を撮れるXperia 1も、どちらも面白いですから、切磋琢磨してもらいたいところです。