ファーウェイ代表取締役が講演「主に欧州で5Gを受注」「日本からの部品供給に変化なし」 すまほん!!

 米政権による厳しい制裁を受け、「どうなることか」と見られている中国メーカー華為(Huawei)ですが、なんだかんだ言いながらも5G通信網の受注も比較的順調、供給面でも米半導体大手マイクロンが製品の一部供給を再開したと米WSJが伝えるなど、案外「もちこたえている」ようにも見えます。

 6月26日、上海にて開催されたMWC上海の期間中、華為の輪番制董事長胡厚崑と同社5G製品ラインナップ総裁楊超斌が各媒体による取材を受け、華為の近況について答えました。澎湃新聞が伝えました。

ファーウェイ代表取締役、かく語りき

「我々は既に準備ができている」

 胡厚崑によると、今年5月中旬、米政府が華為を「実名リスト(Entity List)」入りさせ、華為へ一連の制裁を実施してからの過去1ヶ月間余、華為は各種の措置をとり、会社の経営活動への影響を少なく、または影響を受けないまでにした、とのこと。「現時点において、華為の5G技術案は完全に米国による制裁の影響を受けていない、華為が既に調印した契約と今後締結する契約は、完全に供給を保証できる」。

 これに先立つ5月15日、米国商務部は、中国企業の華為とその70社の付属会社を「実名リスト」入りさせ、これは米国政府の許可なくして米国企業は華為へ製品を供給できなくするものでした。しかし6日後、米国商務部は公式に、華為とその提携パートナーに90日の臨時許可を与えると発表、つまり封鎖令が3カ月延期されたわけです。

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 これに対して、5月21日、華為の創始者、CEO任正非はメディアの取材に応じ、「90日は我々にとってそんなに大きな意味はない、我々は既に準備ができている」と答えました。

 6月26日の取材で胡厚崑が語ったところによると、米国政府による制裁は華為にとって非常に不公平であり、事実による根拠がない。しかし企業として、そのルールに則って、新たな経営環境において経営活動を保証できる措置をとるしかないと述べたとのこと。

 「我々は制裁が正しくないものであり、不公平であると見ているが、我々は全世界の経営環境において、ルールを準拠するよう求めている。ここには、サプライヤーとユーザーの間もルールに則っていること、内部もそうであることを含んでいる」。

5G設備も順調

 また、ルールに則っていることを保証する状況下に、華為は積極的に供給上制裁リストの影響を受けないようにする措置をとり、影響を受ける部分は逐次代替方法を見つけ、結果から言って、供給状況は大きな影響を受けていない。具体的な業務からいって、インターネット側、スマホ側を問わず、若干の波風はあるが全体的には正常、と述べたそうです。また、「現在社内の職員の気持ちは非常に平穏であり、みな士気が高まっている」とも。

 華為は世界最大の電信設備メーカーの一つであり、世界販売台数上位3社のうちの一つでもあり、全世界範囲で、膨大なチップなどのハイエンド部品の需要があります。

 華為側が明らかにしたところによれば、華為の5G基地局の出荷数は15万。50の5G契約を受注しており、そのうち28は欧州、11は中東、アジア太平洋6、アフリカ1とのこと。

 「我々が見るところ、5Gの商業競争において、華為は主導的な立場を維持し続けることができる。今年末までに、5Gのグローバル出荷数は50万前後になる」とのこと。次の段階は、5Gの世界規模での整備を加速させ、5G端末の発展を追いつかせ、今年下半期には更に多くの端末を発売、華為5GスマホMate 20Xも近日中に発売される、としています。

Huaweiの課題、ポイント3つ

 華為の次の段階でのカギは、次の三点だといいます。

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  1. 次世代通信5Gの投入を維持、拡大する。華為の投入戦略は変わることなく、投入によって業界での主導的な地位を維持し、製品を不断に改良し、通信キャリアによる更に良好な5Gネットワークの整備をサポートする。
  2. 産業エコシステム全体の発展を推進する。まず、各端末チップのメーカーと華為のネットワークの対応テストを積極的に支援し、5Gチップの成熟を促進し、コストダウンへつなげる。
  3. 業界越境的な提携を積極的に推進し、更に多くの応用シーンをもたらす。

日本からの供給、影響なし

 胡厚崑は最後に、外部は華為の5Gの継続的な供給能力を心配しているが、いまのところ、華為の5G技術案は完全に制裁の影響を受けておらず、既に調印した契約と今後の契約は、完全に供給を保証できる、と述べたとのこと。

 また、華為は日本から非常に多くのチップを購入しているが、米国の制裁を受けて日本企業は慎重な態度をとっている、華為は日本企業からのチップ調達に対し、楽観視しているか、との日本の記者からの質問に対し、いまのところ日本からの供給は影響を受けていない、全て正常に運行しているとし、「根本的な原因は日本のサプライヤーとの取引は、ルールの要求を満たしている。今後の提携にも自信をもっている」と答えたといいます。

 この部分について補足すると、日本国内報道で「華為との取引停止を検討」と報じられたものの、実は「検討しただけで停止していなかった」というパナソニックの例もありましたね。

ファーウェイの5Gを使わなければ「2年遅れる」

 さらに胡厚崑は、華為の5G契約のうち、28の契約は欧州の顧客であるとし、欧州の顧客へ華為がもたらす価値についても自信をもっていると語ったそうです。

 「もし華為を使わなければ、彼らの5Gは2年の遅れが出る。それに、華為が彼らにもたらすネットワーク網構築コストの削減も、非常に明らかだ」とし、胡厚崑は顧客による華為への信頼に感謝するとともに、信頼に応え、顧客を安心させられる措置をとると述べたとのこと。

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 胡厚崑は、5G時代、如何に客観的にネットワークの安全を管理するかについても、華為は非常に多くの努力をしていると言い、「我々は十分に5G時代がさらに複雑となることを理解しており、5Gのネットワーク安全への不安も理解できるし、重視されなければならない」と語りました。

中国スマホ市場好調、鴻蒙OSは?

 また、外部が心配している、華為の部品代替案や性能、さらに今後のメンテナンスについては、「代替案によって性能はいずれも低下することなく、現有のものを上回る。なぜそうなるか?我々の代替案は事件発生後にあわてて取り組んだものではなく、華為が長年に渡って技術供給の戦略として堅持してきた、多元化戦略だからだ」としています。

 華為のスマホが中国市場で良好な成長を見せていることについては、「我々は最近の中国市場での成長が非常に良好なことを、とても喜んでいる。いかなる時も消費者が華為のスマホを買ってくれることは、我々への支持であり、我々としても非常に感謝している。今の状況は、ある非常に強烈な感情から華為を支持しているのではないか、私個人の感覚としてはそうだ。われはこのような支持に、非常に感謝している」と述べました。

 注目の自社開発OS、鴻蒙の進展については、華為はAndroid OSの揺るがぬ支持者であり、今既に発売されている華為のスマホのGoogleアプリは、いかなる影響も受けていないとしながら、次のように語りました。

 「未来に向かって、我々は十分にAndroidエコシステムの発展に参加できることを望む。しかしある一定の状況下において、我々が使用できなくなったとき、我々はその他の策をとるしかない。我々自身のOSがどの程度まで発展しているかについては明かすことができないし、明確なリリース時期も決まっていない」

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 5月21日、華為消費者業務責任者の余承東は、華為OSは早くて今年秋、遅くても来年秋にはリリースされ、前年的にAndroidとWebアプリに対応していると述べています。

総評

 以上、華為輪番董事長の語る華為の近況でした。

 なんだかんだ5G通信網の整備はけっこう受注をとっていますし、部品供給の面でも「制裁回避」の代替ができているとのこと。最後のOSについては多くを語っていませんが、何気にこれが一番の「見もの」、楽しみなところですね。