5月22日夜、パナソニックが米国政府の命令により、華為との取引を停止すると報じられました。以下、ヤフーニュースにて配信された時事通信社報道を引用します。
パナソニックは22日、米国が中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)と米企業の取引を原則禁止する方針を打ち出したことを受け、ファーウェイや関連会社との取引を中止したことを明らかにした。電機大手のパナソニックが中止を決めたことで、ファーウェイとの今後の取引に関する他の国内企業の判断に影響を及ぼしそうだ。
パナソニックは「当社は米国の輸出管理法令の順守を方針の一つにしており、(米から)禁止されている取引を中止するよう徹底している」と説明した。ファーウェイとの詳細な取引は明らかにしていないが、同社はパナソニックをパートナーと位置付けている。
日本の大手電機メーカーによる「華為封鎖」参加が大きな反響を集めていますが、早くも翌23日午前、Panasonic松下中国が「厳正声明」を発表、「華為に対して正常に製品を供給しており、供給停止はデマ、華為は重要な業務パートナー」である、と表明しました。
声明には、「目下のところパナソニックグループは華為社へ正常に製品を供給しており、インターネット媒体などで述べられている『供給停止』などの表現はすべて真実ではなく、華為はPanasonicの長年にわたる提携パートナーであり、我々はPanasonicの所在する国家と地区の関連法律及び条例を厳格に遵守する基礎の上に、華為など中国顧客への製品販売とサービス提供を継続し、中国においてPanasonicグループの微力を以て、中国発展事業に貢献する」とあります。
「え?どういうこと?」と、日本国内報道と二度見比べてしまうところですね。
ここで、日本経済新聞の報道を見てみましょう。
【ファーウェイと一部取引中止へ パナソニックや英アーム】2019/5/23 0:30
米国政府による華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の輸出禁止規制を巡り、パナソニックは22日までに該当する取引の中止を決めた。米政府は米国からファーウェイへの輸出に加え、一定以上の米国産品を使ったり米国産のソフトや技術を使ったりした製品の輸出も禁じた。スマートフォン(スマホ)関連の製品の一部がこれにあたるもようで今後の出荷を控える。
パナソニックは「対象品は限られるため業績への影響はほとんどない」としている。ファーウェイに対しスマホ製造にかかわる製品などを納入している。米国産の部品や技術などを使う製品が一部あった。ほかに該当の製品がないか精査する。
「対象品は限られるため業績への影響はほとんどない」、「一部取引停止へ」だったんですね。しかも面白いのは、この日経新聞の記事はオンラインだと有料会員限定のため、一般にはヤフーニュースで無料配信されている、時事通信社の「とばし」同然の記事が広がっていることになります。
「松下電器が、華為との取引停止をデマだと否定」というニュースは、中国共産党機関紙の人民日報や環球時報は言うに及ばず、華為もコメント。「松下は華為の重要な提携パートナーであり、双方は各領域で密接な業務協力を展開しています。松下集団と華為社のすべての業務協力は正常な展開を持続しています。松下集団の華為に対する一貫した支持に感謝します」という華為の反応とともに、中国各メディアで大々的に報じられるところとなりました。
さらに微博の松下公式アカウントにも、「鄧小平が1978年に訪日して以来、松下は中華民族の復興に貢献し続けている、こんな企業を悪く言ってはいけない」、「日本企業がこんなに華為を応援してくれるとは思わなかった!ありがとう松下!」「今後、家電は全部松下に買い換える」といったような絶賛の嵐が寄せられています。
これまでの経緯は、ざっとこんな感じですかね。
「Panasonicが華為との取引停止」とのニュースを目にしたとき、ARMやGoogleはともかく、「パナの家電が中国の店頭から消えるのでは」と心配しましたが、災い転じて福となす、Panasonicにとっては良い宣伝になったようです。
続報:パナソニック、現時点ではファーウェイへの取引中止なし。あくまで精査中
- 情報元国际新闻_环球网