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5万円切りでスナドラ855の衝撃!廉価版「Black Shark 2」は国内市場を食らう侵略的外来種になるか?

 ハイエンドモデルといえば値段が高い……そんな常識をぶっ壊す!驚くべきスマートフォンが登場しました。

 Xiaomi系ゲーミングスマホ「Black Shark 2」を取り扱う日本正規代理店「TAKUMI JAPAN」は、Black Shark 2に事実上の廉価版となる実行メモリ6GB+ストレージ128GBモデルを追加すると正式発表しました。

 なんと、希望小売価格は4万9800円(記事中全て税別)。

 今回の記事ではBlack Shark 2廉価モデルのヤバさについての考察と、日本正規代理店TAKUMI JAPANの増田社長へのプチインタビューをお届けします。(レビュー記事はこちら

Black Shark 2廉価モデルの衝撃

実力損なわず、お値段半額

 これまでBlack Shark 2のJAPANモデルは、実行12GB+ストレージ256GBの最上位構成でした。価格は9万9880円と海外版の価格と比べてもお高めでした。

 日本でも先進層には知名度の高いXiaomi系のスマホというだけあって、初投入の価格が高いのは仕方ないだろうと言った面がありました。しかも、しっかり技適やプラチナバンド対応のローカライズを果たしてですからね。実際、一番最高スペックのモデルが投入となったのは「日本初上陸だからこそ」というメーカー意向もあったといいます。当然のご祝儀価格でしょう。

 しかし9万9880円から5万円も安い、4万9800円の廉価モデルが投入されるのは、正直かなり驚き。だって半額ですよ、半額。

メモリとストレージを削ったら魅力の無くなる機種か?

 当初、メモリ12GB!Snapdragon 855!というところで話題を呼んだのも事実ですが、単一アプリで12GBまでメモリを爆食いするゲームはありません。

 たくさんゲームをするからストレージ256GB必要、もしくは複数ゲームを頻繁に切り替えるから必要だという実用上の効能もある一方、「いいんだよ、ロマンなんだ」と答える人も少なくないでしょう。

 メモリ12GB、ストレージ256GBというのは、スペック表で目立つ部分ではありますが、以下のような部分にも着目すべきです。

ゲーミングスマホの本質

 Black Shark 2の本質は、Snapdragon 855を単に搭載しただけではなく、Snapdragon 855のパフォーマンスを長時間引き出せる、という点にあります。

 単なるパフォーマンスだけならiPhoneでも高いです。しかし、それを長時間のゲーム体験で維持できるか?というと、難しいです。そこを液冷で突き通せるのがゲーミングスマホの魅力。端末の高温になる部分を液冷で冷やし、発熱による性能低下を防止することで、長時間の快適なプレイが可能。さらにソフトウェアでも、ゲームプレイ時のパフォーマンスを引き出し通知をオフにしてゲームに集中するモードもあります。

 また、タッチレポートレート240Hzと高応答のディスプレイも、精緻正確な操作や連打を要求されるゲームでは重要。実はBlack Shark 2の応答速度43.5msというのは、一般的なスマホはもちろん、後発のゲーミングスマホROG Phone IIをも上回る、スマホ一線級の数値です。

  感圧タッチにも対応。押し込むことで特定箇所タップが可能なので、例えばFPSであれば、Aimからスムーズに射撃へ移行することが可能。ちょうどマウスでAimをしながら左クリックで射撃するようなものですね。

 また、Joy-Conのようなゲームパッド、コントローラーなどゲームを快適にプレイできる各種周辺機器(別売り)で拡張可能。

 つまり「あまりスペック表に載らない部分でのスペックが高い」というのがゲーミングスマホの本質なので、メモリとストレージを削ったからといってゲーミングスマホとしての魅力が損なわれるということはないのです。

国内スマホ市場にとって侵略的外来種?

 今年のクアルコムのハイエンドSoCがSnapdragon 855です。国内市場でSnapdragon 855搭載の端末といえば10万円前後が相場。Galaxy S10やAQUOS R3は9万円~10万円、S10+は10万円~11万円、Xperia 1は10万円~13万円といった具合。

 ところがSnapdragon 855を搭載してたった5万円というBlack Shark 2廉価版は、普通のハイエンドスマホとして見ても爆安です。これはゲームをあまりプレイしない人にとっても衝撃プライス。

 メモリ6GBでも日常利用のアプリ切り替えはかなり快適で、ストレージ128GBも今のハイエンドとして標準的なので、Black Shark 2が値段を下げるために削った部分が、他社スマホと戦う上であまり問題になりません。これは強い。

 ただ漠然とクアルコムの一番いいチップを積んでおけばいい……みたいな甘い考えはもう完全に終わり。処理性能はあって当たり前、他に何ができるのか?これをうまく訴求できないメーカーがあるとすれば、圧倒的価格のBlack Shark 2廉価版は侵略的外来種も同然。打ち負かされてしまうでしょう。

 分離プランでキャリアの安売りがあまりあてにならないこの時代、各メーカーこれまで以上に、性能以外の良さを練りに練って、強く推していかなければなりません。Black Shark 2廉価版は国内市場に大きな刺激になるでしょう。

もうひとつの「5万円爆安スマホ」

 ただ、Black Shark 2にはFeliCaもなければ、とびきり良いカメラが載っているわけでもありません。そこは前述したGalaxy / AQUOS / Xperiaとひとつの線引きになるでしょう。

 そういえば、FeliCaとカメラ性能が欲しければ、Pixel 3aも5万円以下で買えるのでしたね。いやはや、消費者にとっては嬉しい悲鳴です。

 こうなると、国内市場は予算5万円、性能を取るならBlack Shark 2、FeliCaとカメラを取るならPixel 3a。全部欲しけりゃ予算2倍。そんなところでしょうか?

気になる疑問、ズバリ増田社長に訊く

 さて、いろいろ考察してしまいましたが、Black Sharkの日本正規代理店TAKUMI JAPANの増田薫社長に、質問に答えていただいたのでご紹介します。

(Black Shark 2を手に持つ増田社長 2019年6月6日 KAZUNA Worldにて撮影)

廉価版登場、なぜ?

――なぜ、ここまで安いモデルをいま追加したのでしょうか?その意図をお聞かせ下さい。

「革新的な液冷システムなど『Black Shark』の端末に対する情熱と、その開発や設計の技術力に正直私たちは惚れました。実際に発売してみると、端末に対するユーザーの方の評価も高く、弊社としてはその良さをより多くの人に知ってもらいたかったというのが一番の意図です。

 そして、ゲーミングスマホということでゲームをする方にとって最適なモデルになるべく作られた製品ですが、実際に使ってみると普段使いでも今まで使った端末の中でも最高の快適さだったことから、裾野を広げて皆様にお伝えしたいという想いもあります。

 私たちの世代(1970年代生まれ)は、昔はゲームをピコピコ、ずーっとやっているとよく怒られたものです。でも、現在はゲームでも生計を立てたり、個人でビジネスにしたりと、生き方は多様化しています。弊社としてはその多様性に貢献したい。ゲームをやるにはいいハードが必要と考えており、そこでより多くの方に裾野をひろげるためです」

「Black Shark 2 Pro」はどう?

――最近、「Black Shark 2 Pro」という新しい機種が発表されましたが、こちらについては日本に持ってくる予定はあるのでしょうか?

「このモデルは元々中国限定のモデルです。でも、増田は全然あきらめていません。

 そのためにはこの『Black Shark2 JAPANモデル 6+128GB』の成功が重要になります。皆様にこの端末をこの価格で届けるためにいろいろと新たなチャレンジをしてきて達成しています。

 だからこそ、今回は増田からも『皆様のポチリの応援だけが支えです』とSNS等で伝えさせていただきました。

 このような衝撃価格を、きちんと技適や日本のレギュレーションに合わせた正規品で出す新たな流れを作っています。この流れをさらに大きなものにするには、皆様の力が必要です。お力を貸してください。そうすればBlack Shark 2 Proも、それ以降もどんどん持って来れるようになります。何卒よろしくお願いいたします」

総評

 ゲーマーと一般層、それぞれのより多くのユーザーに届けたい……とのこと。増田社長は実際にBlack Shark 2を利用、大容量4000mAh電池と急速充電18Wに太鼓判を押していました。確かに、ここまで高性能な仕様だと、普段の利用で困ることはないでしょうね。ゲームのためだけではもったいない。

 TAKUMI JAPANはローカライズにあたり技適認証とドコモ・ソフトバンクのプラチナバンド対応をしっかりやっているので頑張ってもらいたいですね。今後の機種の展開も楽しみです。

購入

 本製品と、そのプレミアム補償プランはKAZUNA eSHOPで予約を受付中。発売日は8月下旬予定。初回1000台までは予約者に発売日に届けるとのことです。

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