Huaweiは、スマートフォンの全言語設定から台湾を削除しました。台湾独立を設定で示唆しているとの中国国内での批判が原因です。
これまでもHuaweiは中国国内法令を遵守し、タイムゾーンオプションで台湾を「台北(中国)」と表示していましたが、これは簡体字設定を選択時の話で、それ以外では「台北(台湾)」と表記していました。これが中国人からの怒りを買いました。
中国大陸を領土とする中華人民共和国は、台湾を自国領土であると主張しており、中国では、国名を並べる際に台湾をそのまま並べるのはタブーで、基本的に「中国台湾」のように表記にする、ある種の不文律、ポリコレが存在します。
HuaweiのPシリーズで「台北(台湾)」と表示されている画像が中国Weiboで出回り、これは二重基準であり、分離主義的であると中国のネットユーザーからの批判が殺到、Huawei製品の「粉砕」が呼びかけられました。中国の短文投稿SNS微博では「台独华为滚出中国(台独主張のファーウェイは中国から出ていけ)」がトレンドになっていました。
こうした批判を受けて、Huaweiはソフトウェアアップデートで修正し、言語設定で繁体字を選択してもタイムゾーンから台湾は削除。「台北(中国)」または国名なしで「台北」と表記されるようになったようです。
不買運動に発展する前に対処できたものの、謝罪声明もなくひっそりと修正したことには依然として批判的な反応もあるようです。
両岸の主権帰属問題を背景とするこうした問題はちょくちょく取り沙汰されています。たとえばAppleは中国に忖度し、中国においては、台湾を実効支配する中華民国の国旗である青天白日満地紅旗の絵文字をiOSおよびMacから削除しています。
Huaweiは簡体字選択時以外、以前から台湾を国家同等に表記していたはずで、今このタイミングで取り沙汰され、盛り上がったのは、香港の反送中デモが依然として収束せず、分離主義に対して敏感になっている現在の動向が影響しているものと見られます。