中国メーカーXiaomi、OPPO、Vivoは、中国短文投稿サイトWeiboにて、三社が無線ファイル転送で提携する联合互传联盟を明らかにしました。8月末に開始するとのこと。
説明によればXiaomiのMIUI、OppoのColorOS、VivoのFuntouchOSはAndroidベースであり、P2Pシステムを統合するといいます。つまりオンライン接続不要で近くの端末同士での通信でファイル転送できるということ。
仕組みとしては、接続起点としてBluetoothでペアリングし、実際のファイル転送は20Mbps、つまりWi-Fi接続で行うものと見られます。これにより迅速な接続、高速転送、データ通信消費なし、低電力が謳われています。
似たような仕組みのファイル転送としてはAppleのAirDropやHuawei Shareがあります。
友達同士のファイル転送でわりと便利な反面、「そのメーカーの端末同士でしかやりとりできない」という致命的欠点を抱えています。(iOSシェアが異常に高くて同調圧力の強い国の、特にその傾向の強い若い世代のAndroidユーザーはAirDropのせいで大変だと思います)
ユーザーとしては、どうせ似たようなことをやっているのだから、こういう規格は利便性のために極力統合してくれというのが本音。
中国国内市場におけるHuaweiのシェアは34%。しかしXiaomi、OPPO、Vivoの3社のシェアをあわせると約半分。これで形勢逆転ですね。
これはライバルであるHuaweiやAppleに対しての牽制であると共に、米Googleに対して先手を打つことにもなります。Googleはファイル転送機能Android Beamを次期Android 10で廃止し、Fast Shareなる機能に置き換えようとしているからです。
なお、Fast ShareはGoogle Play Serviceの機能であると伝えられています。
三社は他のメーカーの連合参加を受け入れる姿勢を示しています。案外ここにHuaweiが加わる展開もあり得そうです。むしろ、Huaweiが困るタイミングで足元を見て、主導権を握りたい思惑もあるのかもしれませんね。
Xiaomi、OVが提携するだけでもかなりのインパクトですが、仮にこういう取り組みにHuaweiが協力すると、世界に絶大な影響がありそうだなと考えてしまいますね。
Huawei独自開発のHarmonyOSは現段階ではまだまだ未成熟で喧伝されているほどのものではなさそうですが、仮にこれが成熟し、今回のファイル転送のようにXiaomi、OVが手を取り合う展開があれば世界シェアの半数となり、Androidを脅かす存在になるのかも?
米国が過度に中国メーカーの脅威を喧伝して締め付けるほど、敵同士でしかないはずの中国メーカー同士が協力して現実の脅威となる、そんな未来の予兆ではないかと妄想が膨らんでしまう今回の提携。今後のP2P無線高速ファイル転送の動向に注目です。