Android版AirDrop?「Nearby Sharing」 ベータ版使用レビュー すまほん!!

 以前から開発が噂されていた、Androidの新機能として期待されている Nearby Sharing のベータ版が2020年6月30日より一部で提供が開始されました。今回は使用感のレビューと、AppleのAirDropとの比較についてご紹介します。

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Nearby Sharingとは?

概要

 Nearby Sharingは、GoogleがAndroid向けに開発しているファイル共有サービスです。Android 9まで搭載されていた機能である Android Beamの後継となる機能。

 インターネット接続なしでも、BluetoothとWi-Fi Directを利用してAndroid端末間でのファイルの共有が可能となります。

 Android Beamでは、送受信両方の端末でNFC対応が必須な上、送信速度が非常に遅いためとても不評でした。今回のNearby Sharing機能では、その課題が修正され、より便利なファイル共有を実現しています。

対応機種

 現在のところ、ベータ版を利用できる機種は Android 6以上で、Wi-FiとBluetooth、位置情報が利用できる端末です。また、Google Play 開発者サービスが必須のため、GMS(Google Mobile Service)の利用できない端末(Huawei Mate30 Proなど)ではこの機能を利用することはできません。

送信可能なファイル

 送信可能なファイルは、画像や動画はもちろんのこと、サイトのURLやMP3等の音楽ファイルなど、全ての種類のファイル転送に対応しています。容量については現在のところ制限は確認できないため、サイズの大きいファイルも送受信可能となります。

実際に使ってみよう!

 Nearby Sharingを先行して利用するためには、Google Play 開発者サービスのベータ版テスターになる必要があります。筆者はさっそくベータ版テスターに登録し、実際にNearby Shareingを使用してみました。今回の実証には、Samsung製のGalaxy Feel2と、シャープ製のAndroid One X4を使用しました。

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 なお、Google Play 開発者サービスのベータ版には、重大なエラーやバグが含まれる場合があり、端末の動作が不安定になる可能性があります。導入は全て自己責任で行う必要がありますのでご注意ください。

有効化の手順

 Nearby Sharingを利用するには、まず設定で機能を有効化しなければいけません。Andoidの設定アプリからGoolge設定に移動し、デバイス接続の項目から周辺ユーザーの共有に進み、機能をオンにします。これでNearby Sharing機能が有効になりました。

詳細設定

 Nearby Sharingの詳細設定画面では、相手に表示される自分のデバイス名を変更できるほか、自分のデバイスの公開範囲も選択できます。また、ファイル送信の方法に関するオプションもあります。Nearby Sharingでは、完全にオフラインでファイルの送受信をするモードと、Wi-Fi使用時のみインターネットを利用するモード、サイズの小さいファイルを共有する際のみモバイルデータを使用するモードの、合計3つのモードが確認できました。

左側は詳細設定画面

機能の起動

 有効化が完了すると、クイック設定パネルに「周辺ユーザーとの共有」を追加できるようになります。クイック共有パネルに追加後、タップして起動すると、Nearby Sharingの待機画面が表示されます。この状態にすると、ファイルの受信ができるようになります。

 ファイルを送信する側は、共有したいファイルを表示し、共有ボタンを押します。すると共有オプションが表示されますので、オプション内の「周辺ユーザーと共有」を選択すると送信待機画面が表示されます。

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共有

 お互いの端末で周辺ユーザーとの共有をオンにした状態にすると、送信側の画面上に周辺の端末の名前が表示されます。

右が送信側、左が受信側

 表示されている周辺の機器から、自分の送信したい端末を選択すると、送信が開始されます。

使用感とAirDropとの比較

 ここからは、実際に使用してみて、良かった点をAirDropと比較しながら見ていきたいと思います。

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良かった点

 まず、先代のAndroid Beamと比較すると、非常に速くなっていました。数MBの画像であれば、AirDropともほぼ変わらない速さでファイルの転送ができました。また、インターネットを使用しての送信はさらに高速になっていました。AirDropでは、ファイルの転送方法は選択できないので、送信モードの選択が行えるのはとても工夫されていると感じました。

悪かった点

 まだベータ版なので、今後改善されるとは思いますが、全体的に使いやすいとは言えなかったです。まず、送信可能距離が短すぎること。Nearby Sharingでは、30cm以内にある端末にしかデータを送信できません。これは、昨年よく耳にしたAirDrop痴漢なるものを防止するために送信距離を短くしたものと思われますが、AirDropは約10m離れていてもファイルの転送を行えるので、いくらなんでもこれは短すぎます。

 また、データのサイズが大きくなると、明らかに転送速度が遅くなります。筆者が実際にテストしてみたところ、GoProで撮影した約70MBの動画ファイルを転送するのに、Nearby Sharingは約15秒、AirDropは約3秒と、明らかにAirDropのほうが高速なことがわかりました。

総評

 Android版AirDropとして、多くのAndroidユーザーに期待されているNearby Sharingですが、ベータ版とはいえ、まだまだ改善点はたくさんあると思います。Android Beamの二の舞にならないうように、問題点を克服した上で、正式リリースして欲しいと思います。