京セラのトランシーバー 意匠特許
8月11に公開された京セラの意匠公報が非常に興味深いものでした。京セラの場合、プレスリリースが出る前に意匠が公開されることが多々ありますが、発表されなかったことも多いため今回も同様に出るかどうかはわかりません。
形状はタッチスクリーンを備えたトランシーバーのような形です。大きなディスプレイが付いてるため、おそらくAndroid搭載のトランシーバー?
出願日 | 2019年10月17日 |
登録日 | 2020年07月20日 |
発行日 | 2020年08月11日 |
登録番号 | 意匠登録第1665422 |
意匠に係る物品 | 携帯情報端末機 |
意匠権者 | 京セラ株式会社 |
そういえば京セラがすでに展開しているタフネススマホには、LTEネットワークを用いてワンプッシュでグループ通話ができるIPトランシーバー機能があります。これには無免許で利用できるというメリットがありますが、基地局を介しての通信なのでもし災害が起こったとき利用できなくなるというデメリットがあります。
その点を考えると、今回の意匠特許のようなスマートフォンとトランシーバーが合体したような端末は、基地局やリピーターを中継して全国どこでも通話できるとともに、予想外の事態であってもある程度の距離なら機器同士での通話が可能なのでオールマイティーといえます。
京セラは過去にトランシーバーを展開していましたが、久しぶりに出すということになれば面白いですね。
今回はこの意匠を読み解きながら3Dレンダリングを作成します。
作成過程
作成にあたって本来なら全く1から作成しますが、今回の意匠は以前に作成した同じく京セラの未発表タフネススマホに似ているため、それをベースに編集していきます。
・【京セラ次期タフネス】有名リーカー風3Dレンダリング作ってみた。
ディスプレイは同じ18:9なのでそこを基準に編集します。ディスプレイ下部にあった特徴的なスピーカーが上部に移動していますが、これはより通話を重視した変更といえます。
側面の電源やシャッターといったボタン類は、共通パーツのようなので位置のみ調整します。
完成です。Type-C端子やイヤホンジャックといった共通規格の部位があればあるていど寸法を推測できるのですが、どの部位も基準にできそうにないので今回はやめておきます。
レンダリングと各部位について
この端末は以前作成したタフネススマホをベースにしたものを思われるため、筐体の素材も同じものと考えます。
以下がレンダリングが終了したものです。画像から推測するとカメラは超広角と広角(標準)によって構成されたデュアルカメラです。
上面は上からアンテナ、チャンネル切り替え、電源ボタン/音量スイッチと思われ、オレンジ色のボタンは他の京セラ端末にも共通するSOSキーです。
ところで京セラの意匠には北米向けはシェーディングの無い隠線のみの画像、国内向けは隠線のないシェーディングのみの画像で申請される傾向があります。この端末は隠線のみの画像で申請されているため、北米向けの業務用端末であると考えられます。
最後に
恐らくこの端末はAndroidが搭載されたトランシーバーでしょう。この手のタッチスクリーンを備えたLTE対応のトランシーバーは、Motorola Mobilityの片割れであるMotorola Solutionsが同様のものを販売しています。
もし発表されれば北米で長年に渡り法人、官公庁向けに通信機器を納品している企業どうし、より競争が激しくなりそうです。
IPトランシーバー機能があるスマートフォンを展開している、法人向け5G機器に注力している中で、より”ガチ”な端末の投入を考えているのは興味深いです。