NTTドコモとKDDIが、解約ページを検索エンジンで表示されないようにする措置を採っていた事実が発覚しました。
採られていた手法は、HTMLタグに「noindex」と呼ばれるタグを埋め込むことで、Googleなどの各種検索エンジンからの巡回/情報収集を拒否し、表示されなくするもの。消費者が検索エンジンから解約ページに辿り着くことができなくなっていました。
各大学教授や専門家らで構成される総務省スイッチング円滑化タスクフォースにて、2021年1月13日に実施した事業者間協議でこうした事実が指摘。NTTドコモは「解約手続き方法」「MNP手続方法」、KDDIは「解約・MNP転出検討中のお客様へ」といったページに埋め込んでいたとのこと。
NTTドコモは会合開催後の2021年1月20日に、KDDIは会合開催に先んじて2020年12月25日に、該当のHTMLタグを削除。会合での指摘も、KDDIが先んじて削除できたのも、2020年12月23日に公開されたITジャーナリストの神田敏晶氏の記事が貢献したものと思われます。SoftBankは元々こうしたタグは埋め込んでいませんでした。
企業が都合の悪い不祥事の謝罪文や、障碍者雇用ページなどにこうした検索回避タグを埋め込んだ際、大きく批判の対象とされます。
大手携帯事業者は多くのサービスを提供しているため、ページ数も膨大であることから、都合の良い悪いに関わらず、目的のページに辿り着くことは容易ではありません。トップページからSIMロック解除のページに辿り着くことができない顧客に「検索エンジン経由で探した方が早い」と案内しているキャリアショップ店員も居ます。公式サイトトップページを経ることなく、検索エンジン経由で該当ページを直接探すのは、インターネットにある程度馴染んだユーザーであれば当然想定される、ごく一般的な行動です。それを阻害、顧客の利便性を低下させる手法で解約阻止に走るのは、国民共有財産である電波を認可されている大手携帯事業者としてあるまじき行為ではないかと感じます。
2021年2月26日12時24分追記:削除経緯などを一部加筆。