週刊文春は、NTT持株澤田純社長やNTTデータ岩本敏男前社長らNTTグループ幹部達が、総務省幹部や前内閣広報官を接待していたと報じました。
2018年9月4日、9月20日、2020年6月4日に高額接待を受けたのは、総務省幹部の谷脇総務審議官。同氏は菅義偉首相の長男の勤める東北新社から国家公務員倫理法で禁じられた接待を受けたことにより、懲戒処分となっています。
2020年7月3日に高額接待を受けたのは、山田真貴子前内閣広報官。同氏もまた東北新社からの接待を受けており、「体調不良」を名目に内閣広報官を辞職したばかり。
谷脇総務審議官は政権の看板政策である携帯電話料金値下げを遂行する役割も担ってきました。NTTは元国営企業であり、総務大臣から事業計画を認可される立場であるため、谷脇氏が接待を受けることは国家公務員倫理法違反の可能性があります。
これまでNTTは元国営ゆえの強大さから、公正競争担保のため、NTT法などによる規制を受けてきました。しかし急に風向きが変わり、ここ30年の議論に反するNTTによるドコモ完全子会社化が実行、政府はこれを止めず容認。しかし、この過程で不正な高額接待が行われてきたとなれば話が変わってきます。6月4日、7月3日の接待の約3ヶ月後、NTTはドコモ完全子会社化を発表しています。
このほかNHK役員との会食も報じられているなど、総務省疑獄の様相を呈している昨今の政治状況。携帯料金競争の発火点でもある「ドコモ完全子会社化」「アハモ」に疑惑の目が向けられることになり、仮に報道内容が事実であればNTT幹部らの辞任もありえる状況。今後の事態を注意深く見守りたいところです。