米ワシントン・ポスト紙は、米国政府がスマートフォンメーカー「Honor(オナー)」に対する制裁措置を検討、意見がわかれていることを報じました。
それによると、主要4政府機関のうち、国防総省とエネルギー省がHonorに対する禁輸措置に賛成、国務省と商務省が反対とのこと。情報源は過程を知る匿名の関係者筋。
世界最大の通信機器メーカーであるHuaweiは、イラン制裁違反のほか、中国政府による通信盗聴の穴になると米国政府が主張している5G基地局事業によって、米国の安全保障に害を為す存在と見做されており、厳しい禁輸措置が行われています。Entity Listに追加されたHuaweiは部品調達に大きな影響を受けています。
このためHuaweiは傘下のHonorを切り離し、完全に独立させました。Honor製品にはQualcommがSnapdragon SoCを供給しています。
しかしHonor独立が事実上の規制潜脱にあたると、12人の議員らが米規制当局に書簡を送っていました。
Honorは5G基地局事業を行っていません。ワシントン・ポスト紙は、禁輸リスト入りには、Honorが米国産半導体チップのHuaweiによる不法調達に関与しているなどの証拠が必要との識者の見方を紹介しています。
Huaweiは、Honor新会社の株式を保有せず経営や意思決定にも関与していないと主張しています。