サムスンは、米国のGalaxy S20シリーズ・S21シリーズ、並びにGalaxy Tab S7シリーズユーザー向けに、端末をユーザー個人で修理できる「Self-Repair Program」を発表しました。
このプログラムでは、ユーザーがサムスンから直接端末の部品を購入できるようになり、端末を修理サービスに出すことなく、自身で修理することが可能です。
また、端末の精密な分解レポートで有名なアメリカの修理企業「iFixit」との提携により、修理に必要となるツールや修理ガイドも提供されるとのこと。
このプログラムの具体的な開始日や部品・修理ツールの価格など、詳細は発表されていませんが、サービス開始時には、先んじてディスプレイ、背面ガラス、充電ポートの交換用部品が利用可能になる模様。また同社は、将来的に最新のGalaxy S22シリーズなど、このプログラムを利用できる端末を徐々に拡大していくとしています。
サムスンの「Self-Repair Program」は、Appleが昨年11月に発表した自己修理プログラムに続くものとなります。ただ、Appleの提供している自己修理プログラムは、あくまで「電子機器を修理する知識と技術を持つ技術者」が対象と明記されており、一般のユーザーが自身で修理することは困難とされていました。
一方、今回発表されたサムスンのプログラムでは、公式発表時点ではそのような表記は確認できず、さらには「iFixit」との提携によって修理に必要な知識や手順・さらにはツールまで用意されるとのこと。Appleの修理サービスと比較しても、より自己修理のためのサポートが充実しているように感じます。
サムスンは近年、一部端末でOSアップデートの長期サポートを保証するなど、端末のサポートを拡大しています。決して安くはないスマートフォンをより長く使えることは、同時にユーザーの信頼度向上にもつながります。
また、長く使えるようになると、その分ディスプレイや充電ポート・バッテリー等は激しく劣化します。しかし、その劣化した部分を高い修理費を払うことなく自身で修理できる、となれば、さらに端末の寿命を伸ばすことができます。これらの観点からも、このサービスはユーザーにとって非常に有益なものとなると考えます。
サムスンがこのサービスを他国で展開するかについては不明ですが、日本国内においては技適という大きな壁があることから展開は容易ではなさそうです。今後他社もこういったサービスを発表する可能性があり、総務省の制度改正が待たれます。