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電気自動車を買う人は情弱?EVメーカーが林立する中国の論評

 欧米、中国ではガソリン車から電動自動車、EVへという大きな流れがあり、中国メーカーが勃興している一方、日本メーカーは取り残されている感もあります。

 EV車はスマート家電の一種として、インターフェイスデザインも重視されているところ、「そんなもん日本メーカーに作れるわけなくない?」とも思ったりしますが、「今のEV車では日本のガソリン車に勝てない」という論説記事が中国「騰訊網」に掲載されていました。

 「おお、日本のものづくりの強みはなんだ」と少し嬉しくなりながら、ご紹介します。

ガソリン車とは比べ物にならない残価率の低さ

 メーカー、品種、型式などから、ここ1年の中国中古自動車残価率を分析している「2022中国自動車残価率研究報告」によると、ガソリン車の3年残価率では首位レクサス68.5%を筆頭に、日本メーカー勢が上位5メーカー中4席を占めています

 今年、純電動車(EV車)も残価率の研究対象になりましたが、ガソリン車の統計は3年残価率なのに対して、純電動車は1年。この基準だと、テスラ以下は、小鵬、蔚来、BYD、栄威と中国勢が並びます。

 報告によると、EV車は電池の消耗や電子部品の寿命などの要素が影響し、1年以上後の残価率は依然高くないとのこと。

 3年残価率で見ると、2019年にリサーチ会社が出したデータによればEVの平均は僅か32.31%、日本メーカーのガソリン車と比べると、かなりの開きがあります。

 残価率の低さと使用可能年数が短いことは、電動自動車、とくに中国の電動自動車の長期的な発展の上で、解決しなけれっばならない核心的な欠点の一つだと王新喜氏は指摘します。

「日本の車は40年もつ」

 今年はじめ、アップル社の自動車市場参入のニュースに対して、トヨタ章男社長は「アップルは長期的に資源を投入する準備が必要だ。技術さえあれば、誰でも車を作ることはできる。ただし、生産を開始すれば、40年の間、ユーザーと各種の変化と向き合って対応する中で、自分を磨き続けなければならない」といった発言をしていましたが、これは新エネルギー車の使用可能年数が短く、トヨタの車のように40年はもたないということを暗に示している、トヨタの自動車が実際に40年もつかは別途検証が必要にしても、トヨタの耐久性、コスパ、使用寿命がトップなのは疑う余地がないといいます。

 日本メーカーガソリン車のエンジン技術は世界をリードしており、ベンツ、BMW、アウディ、ポルシェ、どこであろうが日本の部品に依存しており、例えばベンツ、BMWは日本・アイシンの変速機を使用しているほか、電子制御部品、電子制御モデル、自動変速機の三大部品では、ほぼ完全に日本メーカーによって独占されています。

 トヨタの自動車の信頼性は業界内でよく知られているところで、製造20年、30年のトヨタ車は珍しくなく、章男社長のいう「日本の車は40年もつ」とは誇張ではないといいます。

 中国自動車業界のエンジニアによれば、中国のエンジン技術が非常に先進的であっても、日本の部品がなければ作ることができないとのことで、これは少し大げさにせよ日本のエンジンと精密部品での優勢は極めて強大なことは事実だと評します。

 ガソリン車時代において、エンジンさえしっかりとしていれば、車に大きな問題はなく、これが日本メーカー、とくにトヨタの車が業界内で「壊れない」車だと呼ばれている理由なのだとか。

 信頼性、耐久性はトヨタなど日本勢の残価率が高い理由であり、これが日本の自動車メーカーが世界の販売台数トップで有り続けた核心的な競争力であるといいます。

電動自動車も「耐用年数」が競争の中心に?

 中国国内では、これへの異議も多くあるようです。つまり、携帯電話でいえば、当時のノキアの携帯電話はクルミを叩き割れるほど丈夫だったが、iPhoneに淘汰される運命は変えることができなかった、日本車は確かに信頼性があるとはいえ、電動車という新技術を前にしては意味がないのではというものです。

 しかし王氏の分析によると、自動車は大きく高価な商品であり、信頼性、使用寿命は最優先の位置にあると指摘します。残価率は自動車商品競争力の非常に重要な部分であり、それがまだ消費者から重要視されていない理由は、中国国内の自動車産業、とくに新エネルギー自動車産業が未成熟で、消費者は目新しいものを試している段階に過ぎず、国内にまだ中古自動車文化が形成されていないからだといいます。

 今の段階では、EV車は製品のスマート化、デザイン、操作体験、航続距離、100kmあたりの電池消耗、加速性などの方面で争われていますが、残価率、耐久性、使用寿命といった指標を宣伝しているメーカーはほとんどありません。

中古ディーラー「EV車は要らない」

 これは、いまの電動自動車が残価率、使用寿命などの指標が弱点になっていることを現しているといいます。ある業界関係者は中古自動車業者が電動自動車を買い取らないと認めていますし、また、中古自動車市場調査を行った他の業界関係者によると、「中古車ディーラーはラクスジェン(台湾メーカーの高級ブランド。「ラクスジェンを倍の値段で売るには?」「ガソリンを満タンにすること」、「ラクスジェンのデザインが空気抵抗にこだわっている理由は?」「レッカー車のガソリン節約のため」、「中国に歩道がある理由は?」「ラクスジェンのオーナーが歩いて帰るため」のようなジョーク題材になっている、中国自動車界の「アホーズ」的存在)は買い取っても、電動自動車は買わないとわかった」とのこと。

 電動自動車の第一陣が出てからもう7年になり、使用寿命からすれば、今後数年に電池の消耗から多くの車が廃車、あるいは中古市場へ流入する段階になるはずですが、電動自動車の残価率の低さ、電池の消耗などから、最初期の電動自動車の中古市場は盛り上がらないだろうと予想します。

 これまでの電池技術からすれば、寿命は5年程度、交換の必要がありますが、小さくない出費になります。おそらく中古市場では買い手がつかない、買取価格が極めて低いということになる可能性があり、これも消費者にショックを与えるかもしれません。

 ガソリン車は7年使用しても大きな修理が必要ない一方、電動自動車は電池の寿命が短いこと、電池技術の世代交代が速いため、価値が早くに下落してしまいます。

 今日、多くのEVメーカーは8年や走行距離12万kmを修理保証期間としており、テスラは8年・16万kmにしています。つまり、8年後には電動自動車の電池や各部品の寿命がくるということで、このタイミングで電池を交換するにせよ、車自体を買い替えるにせよ、消費者にとっては大きな負担となり、ここにきて消費者はガソリン車の優位性に気づくかもしれないといいます。

総評

 電動自動車で電池の話題が出ると「航続距離」が話題にされることが多いですが、確かに「電池の寿命」は大きく、しかも身近にわかりやすい問題ですね。スマホは2,3年で買い替えるべき理由でもあります。

 自動車も数年で買い替える人もいるかもしれませんが、今乗っている車がある程度の値段で買い取られることが前提になっているので、記事で指摘されているとおり、ポンコツガソリン車より下の扱いだと、買い替えのハードルも上がってきそうです。

 ましてや、第1世代のEVがこれからバッテリー寿命を迎えるのは、EV市場にとって不安材料になりかねないところだと思います。

 私の個人的な感覚だと、8年で主要部品がダメになる車を数百万円で買う、というのは無理ですね。なお、私は20年モノの日産車を「燃費悪いガソリン高い」と文句を言いながら乗っていますが、高速道路も普通に元気に走っています。日本ガソリン車メーカー、なんだかまだまだイケそうな気がしてきました。

情報元騰訊網
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