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BlackBerry難民の救世主に?有機EL画面が膨らんで「ボタン」になる技術が登場

 初代iPhoneは、これまで物理キーボードを搭載していた携帯電話とは一線を画し、ソフトウェアキーボードですべてを補完するという、当時としては画期的なアイデアを打ち出しました。

 しかし、現在でも物理キーボードを搭載したスマートフォンの需要がなくなったかといえばそうではなく、物理キーボード搭載スマホをテーマに同人誌を出す弊誌編集長など、熱狂的信者が少なからず存在します。

 そんな中、「画面が物理的に盛り上がる」という、まさに物理キーボード信者を救済できそうな論文が登場しました。

 アメリカのカーネギーメロン大学の研究者は、「Flat Panel Haptics」という電気浸透ポンプを用いて、有機ELディスプレイを一時的に盛り上がらせる技術を発表しました。

 この技術は、有機ELディスプレイ上の特定の場所を数mm程度盛り上げることができ、よりリアリティのある触覚をユーザーに提供することができるとします。

キーボード状に膨らませた様子

 下のGIFでは、iPhoneの設定アイコンが盛り上がっているところがわかります。

 表現できるのは単なる四角いボタンの領域にとどまらず、電源や再生・一時停止ボタンなど、特定の形に浮き上がらせることにも成功しているとのこと。

 一方、課題もあるようで、現時点では最初から定められた形でしか浮き上がらせることができないようです。つまり、いまの技術で物理キーボードを搭載したければ「特定の画面の向きで、QWERTY限定」である必要がありますし、その領域はほかのボタンを浮き上がらせることはできないというわけ。それでも十分に需要はありそうなものです。

 やはり気になるのはクリック感でしょうか。あくまで電気浸透ポンプによって物理的に盛り上げるのに過ぎないため、やれ静電容量無接点方式だのメカニカルキーボードだのといった打鍵感は演出できなさそうで、せいぜいキーが膨らんでいることによるボタンの押しやすさ、そして既存の仮想キーボードと同じ、Haptic Engineなどの触覚フィードバックによる「押した感触の演出」程度しか行えません。

 海外ではQWERTYなどのキーボードをなぞるグライド入力が多数派ですが、こと指を離さずに画面をなぞるグライド入力においては、あったほうがむしろ邪魔な機能にまで思えてきました。しかし大変面白い技術です。欠点が解消し、実用化された暁には、ドロップとかキャラクターが立体化したパズドラやモンストをプレイしてみたいところです。

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