海外サイト「The Verge」は6月7日、AppleがAR関連企業「Mira」を買収したと伝えました。
Miraは、ARヘッドセットやヘルメットに取り付けるARグラスなどを開発するスタートアップ企業。民生品から軍用品まで幅広い分野に参入しており、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ」のアトラクション「SUPER NINTENDO WORLD」内で使用するARヘッドセットにも同社の製品が使われています。
The Vergeによると、AppleはMiraの買収こそ認めたものの、買収前にMiraが手がけていた製品や事業、また今後Appleの内部でMiraをどのように扱うかなどについてはコメントを避けたとのこと。
極力外部に情報を明かさないAppleのスタイルを考えれば、至極自然な行動ですね。
いずれにしても、今回の買収でAppleはMiraの技術に加え、産業分野における同社の販売チャネルを手中に収めたことになります。
ここで思い出して欲しいのが、Appleが先日発表したXRヘッドセット「Vision Pro」の価格設定。1台約50万円という価格は、個人用としてはかなり高価ですが、業務用としては必ずしも高いとは言えません。
高性能なXRヘッドセットを求める企業に対して、Miraの販売チャネルを使ってVision Proを売り込み、業務用XRヘッドセット市場で確固たる地位を築く。AppleがMiraを買収した背景には、同社のこうした狙いもあるのではないでしょうか?