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qdc SUPERIOR レビュー。新時代の入門イヤホン決定版候補

 カスタムIEMと高級イヤホンのqdcが出してきた、まさかのエントリーモデル!

 オーディオ業界で話題沸騰の有線イヤホン「qdc SUPERIOR(キューディーシースーペリア)」を購入したのでレビューします。

 色展開は赤黒の二色で、選択したのは赤色(Vermilion Red)。外装部分の高級感が半端ないです。まるで紅玉のよう。角度を変えればロゴの影が落ちるのも含めて素晴らしい造形です。

 そして装着感。さすがカスタムIMEの会社だけあって耳にぴったりハマる、最高のつけ心地。外音遮断性にも優れています。装着感とデザインへの満足度は非常に高いです。

 ただし外装高級感や装着感には反して、ケーブルは非常に安っぽく、癖もすぐに付きそうな雰囲気。メリハリあるコストダウンでしょうか。なお2pinなのでリケーブルも視野。

 10mmダイナミックドライバー(DD)を搭載。低価格帯1DDということで解像度は物足りず、特に中音域でそれが顕著。

 特筆すべきが低音域で、量感と厚みを備えています。重低音も出てますね。迫力ある低音を低価格で楽しみたい人には良い選択肢です。

 高域はクリアですが抜け感はやや物足りないです。ややドンシャリといったところでしょうか。

 全体としては価格帯としては比較的自然な音色で、しかも音場は広め。ボーカルも近く感じますし、本当に聴いていて楽しい、万人受けしやすい音だろうと思います。

 インピーダンス(抵抗値)は16Ωと低いです。まるで駆動力を要しないためDAPからスマートフォンまで機器を選ばず再生できるのも低価格のエントリーモデルらしい魅力です。

 しかしながらそのインピーダンスの低さゆえかDAPで再生時に無音時等のノイズが気になりました。そのうちさらに上位のイヤホンを考えることになるので、良くも悪くもエントリーモデルらしい出来栄えとも言えます。

 「あのqdcがエントリーモデル!」という点で音響業界的なニュースバリューが高いのはわかるものの、絶賛されるほどの音質かというと若干理解しかねる部分はありましたが、筆者はBQEYZの4.4mmバランス接続で繋いでみたところ、音のキレや分離感が明らかに増してワンランクアップ、より楽しい躍動感を感じられ、リケーブルによる音質向上の恩恵を非常に強く感じ、なるほど、と唸らされました。外装全振りでやたら安っぽいケーブルだなぁと思いましたが、よく練られた企画ですね。

 低価格帯ながらも万人受けしやすい音にまとめきって、リケーブルで沼にまで引きずり込む。ノイズを考えると静かな演奏部分も愉しむクラシック等には向きませんが、激しい楽曲や現代的な楽曲をガンガン聴くには向いています。

 qdcの製品の入口のみならず、オーディオ初心者に最初の1台として勧めるモデルとして、引き込む側にも引き込まれる側にも良い選択肢だと感じました。これは称賛も納得の逸品です。

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