ユーザー動向調査に強いMMD研究所は、2023年6月に「通信キャリアの乗り換え経験に関する調査」を実施、結果を公開しました。
18歳から69歳の男女1万人が対象で、3大キャリアとそれ以外のブランドで乗り換え経験の有無を調べています。
調査結果によると、通信キャリアを乗り換えた経験のある人は全体の53.5%にとどまるとのこと。調査対象は人口比で調整しているとはいえ、意外と少ない印象です。
また、docomoは1度も乗り換えたことのない人の割合が82.9%にも上るといいます。au/SoftBankも同様に乗り換えたことがないユーザーが過半数を占めます。3大キャリア全体では、73.4%のユーザーが「乗り換えたことがない」と回答。
3大キャリア以外に目を移すと、やはり乗り換えたことのないユーザーの数は段違い。UQmobileは一段と乗り換えたことがないユーザーが少なくなっていますが、もしかして「auから端末そのままUQに切り替える」というパターンが多かったりするのでしょうか。
また、ahamoは3大キャリア以外のブランドと比べて「乗り換えたことがない」と回答するユーザーが頭一つ抜けて多くなっています。若年層に強く支持されているのか、もしくは元docomoユーザーがahamoに移動しても「乗り換えた」と認識していない、といったところなのでしょう。
乗り換え経験があるユーザーとないユーザーに分けて、「今のキャリアを乗り換えることを検討していますか?」という質問を集計した項目では、経験のあるグループの29.2%が乗り換えを検討している一方で、経験のないグループでは18.8%にとどまります。
キャリアごとの乗り換えを検討する理由としては、3大キャリアで「料金を安くしたいから」が58%と圧倒的に多い反面、3大キャリア以外から乗り換えを検討する理由には「通信品質が悪いと感じたから」とか「他社の通信品質がよさそうと感じるから」といった通信品質への不満からくるものが多くランクインしているのが特徴的です。
逆に乗り換えを検討しない理由として、「乗り換え手続きが面倒」とか「どのキャリアがいいかわからない」といったものが挙げられています。
筆者も、友人から「両親が乗り換えるのを躊躇うから自分も乗り換えられない」といった相談を複数受けたことがありますが、たいてい「困っていないから」とか「わざわざ変える必要を感じない」といった、面倒くささを理由とするものでした。こういったイメージを払拭することができれば、固定客が減ることにつながり、ひいては殿様商売的なキャリアの姿勢を崩させることもできそうなものです。