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iPhone 15 Pro MaxがDxOMarkカメラテストで2位に 2400万画素撮影とSmart HDR 5、動画が高評価

(画像出典:DxOMark.com)

 デジタルカメラやスマートフォンなどの評価機関である、DxOMarkがiPhone 15 Pro Maxのカメラテストの結果を公開しました。

 iPhone 15 Pro Maxは総合スコアが「154」と、テストされた端末の中でHuawei P60 Proに次ぐ2位のスコアを獲得しました。ビデオスコアはiPhone 14 Proが首位でしたが、「158」まで伸ばしています。

写真撮影では自然なHDR、自然な色、細部の質感が評価

 DxOMarkはiPhone 15 Pro Maxの写真撮影を通常のJPEGではなく、より明るく鮮やかに表示のできるHEIC形式のHDR画像ファイルをXDRディスプレイで表示して評価・測定をしているようです。

 iPhone 15シリーズの進化点は過去記事で取り上げましたが、どのような進化がなされたのか不明だったSmart HDR 5へのHDRアルゴリズムの進化がDxOMark点数に大きく現れました。ダイナミックレンジや露出制御についての露出の項目で、iPhone 14 Proの111点から最高点になる123点に大きく飛躍。

 DxOMark上の作例を見ると、iPhone 14 Proでは白飛びしている空が、しっかり写っています。また、人物撮影時に肌のわずかな光の反射や、顔の陰影など、コントラストを自然に表現しています。

(画像出典:DxOMark.com)

 カラースコアも最高点を記録し、厳しい光の条件下においてもSmart HDRのおかげで自然で鮮やかな色を表現できるとしています。さらに、以前のiPhoneで高コントラスト条件では頻繁に色が実際の色から変化してしまうという問題がほとんど見られなくなったとのこと。

 写真のディテールレベルを評価するテクスチャスコアでは、他社のスマートフォンが1200万画素で撮影しているところをデフォルトで2400万画素撮影ができるようになり、1位のスコアを獲得し他社を引き離しています。作例では、Pixel 7 proやP60 Proが捉え切れていない、まつ毛の1本1本を自然に描写しています。

(画像出典:DxOMark.com)

 また、低照度にはノイズ量を減らすために、1200万画素の撮影に自動的に切り替わるようです。

 一方で、ノイズのスコアは他社ほど高くはなっていないため、ノイズリダクションをしすぎず、ディテールを残すような方向性の画像処理となっていることが分かります。

 その他、オートフォーカスの正確性やシャッターラグがほとんどない点、ポートレート撮影時の深度測定の正確さが評価されています。一方で、フレア・ゴーストや、HDRによるダイナミックレンジの拡大に撮影前のプレビューの品質が追い付いていないことなどが減点の対象になっています。

光学5倍テトラプリズムを搭載も、高評価はされず

 超広角カメラの性能を測るワイドスコアはハードウェアにほとんど変化はなかったものの、画像処理の進化により4点向上しています。一方で、望遠性能を測るズームスコアは5倍望遠カメラを搭載したのにも関わらず、点数の伸びは1点にとどまっています。なぜなのでしょうか。

 まずDxOMarkによると、50mmの近距離の撮影ではPixel 7 ProやP60 Proといったライバルよりも多くのディテールを保持し、露出や色も良好とのこと。

(画像出典:DxOMark.com)

 これはiPhoneの4800万画素からのクロップズームが他社に比べても優秀であるようです。作例では被写体のまつ毛まで正確に写しています。

 120mm以上の長距離撮影においても、望遠カメラが活躍し、Pixel 7 ProやP60 Proと並ぶ、優れたディテールレベルを保持することができ、低照度撮影もiPhone 14 Proよりも改善しているようです。

(画像出典:DxOMark.com)

 しかしながら、問題なのは前世代以前では望遠カメラが担っていた中距離撮影。

 中距離を担当する望遠カメラがなくなってしまい、広角カメラからのデジタルズームとなるため、ディテールが低下や過度なシャープネス、不自然なレンダリングの画像になってしまっています。

(画像出典:DxOMark.com)

 長距離の望遠カメラに入れ替わったことのデメリットがDxOMarkのスコアに大きく影響してしまったといえるでしょう。Xiaomi 13 Ultraのように望遠カメラを2つ搭載すれば防げるかもしれませんが、iPhoneにはそこにかけるスペースやコストがありません。

 一方で、同じように5倍望遠カメラを搭載したPixel 7 ProはiPhone 15 Pro Maxよりも5ポイント高いスコアを獲得しています。この差は画像処理のアルゴリズムが影響によるものです。Pixel 7 Proの中距離撮影(80mm)の作例を見ると、中心部のディテールレベルがかなり高くなっています。

 これは中距離撮影時にメインカメラからのデジタルズームで撮影した画像の中心部に、中距離望遠カメラで撮影した画像を合成するアルゴリズムによって、画像の中心部のディテールレベルを高めているのです。

Pixel 7 Proの画像融合アルゴリズム

  DxOMark上の作例をよく見ると、画像の周辺部と中心部で画質差があることがわかります。

 このようなアルゴリズムをiPhoneにも実装していればDxOMarkの点数も上がっていた可能性が高いですが、実装しなかった理由としては、中心部のみ鮮明であるのは自然な画像とはいえないという判断があるからだと筆者は考えます。 

 中距離望遠用のカメラがないことで、スコアがほとんど伸びませんでした。一方で、今後計測されるであろうiPhone 15 ProはiPhone 14 Proから画像処理が進化している分、ズームスコアが高くなる可能性があります。そうなってしまうと、上位モデルが下位モデルに点数が負けてしまうというAppleにとっては不本意なものになってしまいそうです。

ビデオスコアはほとんどの項目で1位に

 iPhoneは動画撮影の性能が高いと評判を得ていますが、iPhone 15 Pro MaxでもDxOMarkは高く評価しています。

 4K60fpsのDolby Vision HDRで測定された結果、6項目中、露出・色・ノイズ・アーティファクト・ビデオ安定化の5項目で最高点を更新。

ほとんどの項目でトップスコア  (画像出典:DxOMark.com)

 ダイナミックレンジが広く安定した露出、正確な色、最高のノイズ・テクスチャのトレードオフ、一貫した正確なAF、手振れの少なく安定したフレーム遷移、ジャギーやアーティファクトの少なさと、全ての面で隙がない動画撮影ができるようです。Log撮影など、機能面でも強化されていますし、動画撮影においては今のところ最高のスマートフォンの一つなのは間違いなさそうです。

 DxOMarkの評価は果たして正しいのか、信頼に値する数値なのか疑問が残るところですが、他の端末とどのような違いがあるのか、前の世代の端末からどのような点が進化しているのかがわかるレビューとして、とても興味深い内容でした。より詳しい内容が気になる方は、読んでみることをおすすめします。

情報元DxoMark
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