直販限定色 Galaxy Z Flip5。縦折スマホの頂点

　縦折りスマホの頂点。

　メーカーが販売するSIMフリー版Galaxy Z Flip5を一定期間貸与していただきました。

　最近ではMotorolaのrazr 40やZTEのnubia Flip 5Gといった、値ごろな折りたたみスマホが増えています。

　しかしそういった端末はしばしばSoCのグレードなど、コストダウンを図って実現しています。

　そうしたなか、Galaxy Z Flip 5Gは、きちんとハイエンドSoCを搭載しているのが明確な美点です。

　筆者としては「ポケットに入るタブレット」であるFoldのような横折スマホと比べると、Flipのような縦折スマホはメリットは少ないと思います。

　そんな中でも強みになるだろうと感じるのは、デジタルデトックス的な文脈です。

　閉じた状態のまま、通知や予定確認をさっと済ませる。音楽再生停止や自曲送りも閉じたまま。できるだけ開かないことで、スマホとの適切な距離を保つ。しかし、いざ開く時には大きな画面と最大性能で、タスクをすばやく終わらせて、再び閉じる。これこそが縦折スマホの本質、真骨頂だと思います。

　Snapdragon 8 Gen 2 Moble Platform for Galaxyを搭載、OSは出荷時Android 14。スペックは以下の通り。

　バッテリー容量は3700mAhというのが本機の弱点ではありますが、前述のように縦折りスマホの本質を理解したうえで運用する分には、それほど大きな問題にはなりません。タブレットなどと一緒に運用するのも良いと思います。

　筐体が小型なので可愛いと思います。

　サブディスプレイはZ Flip 4の1.9型から3.4型に大型化。通知確認や次曲送り、スケジュール、クイック設定パネル、歩数計、天気など様々情報表示が可能で、アプリ利用時には文字入力も可能。

　GoogleマップやLINE、YouTubeも動作するものの、対応アプリケーションは多くありません。ただしGood Lockをインストールすることで、PayPayなどの決済アプリを含む、全アプリをカバーディスプレイで動作させることも可能。

　razr 40（非Ultra）やLibero Flip 5Gでは限定的な操作しかできないため、大画面で拡張性の高いGalaxy Z Flip5の方が優位と言えます。

　筆者は本機にDACを接続して、高音質DAPとして利用する用法が最もしっくりきました。直販モデルのストレージ容量は512GBなので、音楽配信アプリからハイレゾロスレス音源をダウンロードしておいたり、FLACを置いておいたり、たっぷり活用できます。

　指紋認証は電源ボタン兼用で側面配置にて使いやすいです。なお本作からはフレックスヒンジとなり、従来は閉じた状態では楔形に隙間が空いていたのが、ぴったり閉じられるようになっています。

　直販モデルの色展開は限定グレーの一色。表から見ると黒色ですが、裏返すと真っ白な底部が見えて新鮮です。重量は187gとなっており、軽量なのも嬉しいです。

　折りたたみならではの使い方として、自由な角度で自立するため、スタンドなしでの動画撮影や、動画視聴に便利です。

　しかもサムスンのOneUIは機能も豊富で、マルチウィンドウの管理が非常にやりやすかったり、机上に置いてる際などに下画面をタッチパッドとして活用できるなど、折りたたみスマホを最大限活用するならGalaxyが一番だと思います。

　カメラ構成は1200万画素の広角と超広角。撮像素子の大きさなどのハードウェア面には力は入っていませんが、十分な画質を確保できるようソフトウェア処理には力が入っています。

　それよりも角度をつけられる縦折りスマホならではの撮影体験ができるのが楽しいですね。背面カメラのプレビューをサブディスプレイに写すことも可能です。ローアングルからの撮影などもしやすいです。

　もちろんおサイフケータイや防水防塵、Qi無線充電にも対応しており死角はありません。定価は17万9899円となっています。「とにかく一番良い縦折りスマホをくれ！」という人にはこれで決まりです。