2024年末に突如起こった、Meta Questシリーズ(Quest 2、Quest 3、Quest 3Sなど)が動作不能になる不具合。問題の原因について、メタ社が説明を実施しました。
この不具合は、長期間使用していないQuestをソフトウェア・アップデートすると、正常に起動せず「ブートループ」状態に陥るというもの。
メタ社は調査を実施し、「ほとんどの場合、デバイスが正常に使用できる」よう対策を行ったことを発表。それでも動作しない個体の所有者については、無償の交換対応を行っています。
同社のマーク・ラブキンHorizon OS担当VPによると「AOSP R/W ext4の稀なレースコンディションによるファイルシステムの破損と、セキュリティパッチによるOSロールバックの防止」が原因だったとのこと。
「AOSP」は、Android Open Source Projectの略称で、Horizon OSのオープンソース・コアです。ext4はAndroidのLinuxファイルシステムを指しており、R/Wは読み込みと書き込みを同時に行うことを指します。
レースコンディションは、マルチスレッドのソフトウェアにおいて、複数のプロセスが予期せぬ順序で実行され、問題が起こることを意味します。
つまり、ファイルシステムに問題が発生し、ロールバックが不可能だったため深刻化した……という形のようです。
現時点では、メタ社は今後の具体的な方針などは発表してません。今回のような問題に備えて、公式アプリなどから緊急用のロールバックを可能にしてほしいですね。