Googleの新型端末「Nexus 5X」および「Nexus 6P」が発表されました。いずれもAndroid 6.0 Marshmallowを出荷時点から搭載し、OS標準でサポートされるようになった指紋認証センサーを背面に備えた、SIMフリースマートフォンです。
最新OSを楽しみたい人は是非手に入れたいデバイスです。ただ、本当にOSだけ必要な人は、Nexus 5 / Nexus 6あたりを持っていれば、必ずしも必要ないでしょうね。アップデートできますので。
Nexus 5Xは5.2インチFull HD液晶、Nexus 6Pは5.7インチWQHD有機ELディスプレイを搭載しています。やはり自発光の有機ELの色合い、鮮やかさは目を見張るものがあり、写真や動画を存分に楽しむのであればNexus 6Pを選びたいところではありますね。
ただ私はちょうど6インチのAscend Mate7を手に入れたばかりなので、個人的にはちょっと用途が被るかなと。Mate7もNexus 6Pも同じくHuawei製造。それが決定打とまではなりませんが、ちょっとだけ迷うところ。
あとカラーリングですね。金属のNexus 6Pも素晴らしいですが、プラスチックながらもおしゃれな色合いの、Nexus 5Xのアイス(ミントカラー)も魅力的です。サイズ感もNexus 5Xの方がいいので、普通に使うならこちらかな。次点でマットな質感の5Xのブラックが好きです。
特にNexus 5Xは、その安さとコストパフォーマンスが魅力の機種です。379ドルというお値打ち価格ですので、深夜の発表会当時は、もう安いNexus 5Xをとりあえず買ってしまって、後悔は買ったあとでしよう……ぐらいに思っていました。
しかし冷静に、現在の為替レートで円に換算してみると、379ドル=約4万5千円。一昔前の円高のせいもあって、ちょっと高く感じます。
ところが、さらに悪いことに、国内Google StoreにおけるSIMフリー版の販売価格は、16GBモデルが5万9300円(税込)、32GBモデルが6万3400円。消費増税を考慮しても、国内価格はちょっと高すぎます。なぜこんなことに?
もっとひどいのが、NTT docomo版Nexus 5Xの価格です。ITmedia Mobileが伝えるところによると、なんと一括9万円台とのこと。ただでさえ高い国内SIMフリー版よりも、ロックありのドコモ版のほうが3万円高いのです。完全に常軌を逸しています。
価格は一括で9万円台、月々サポートを24回適用した実質価格は新規、機種変更、MNPともに4万円台半ば。Google Storeで購入できるSIMロックフリーモデルの価格は32Gバイトモデルが6万3400円で、ドコモ版の一括価格は割高に設定されている。
Android 6.0搭載の「Nexus 5X」がドコモから登場――SIMロックありで実質4万円台半ば – ITmedia Mobile
「一括9万円」と聞いて最初は耳を疑ったのですが、ドコモに再確認したところ、やはり9万円とのことでした:Android 6.0搭載の「Nexus 5X」がドコモから登場――SIMロックありで実質4万円台半ば http://t.co/1tBPbA3Wzk
— ITmedia Mobile (@itm_mobile) 2015, 9月 30
月々サポート(通信料からの割引)を全額受ければ、「実質」4万円台に。全額受けるためには、ドコモと2年間契約し続ける必要があります。
SIMロック解除義務化は、「キャリアで端末を買ったユーザーが、サービスに不満が出たり、よりよい通信サービスが登場したりしたら、SIMロックを解除して他社に乗り換えればいい」という発想で、消費者の権利保護・ユーザーの流動化・通信サービスの競争活発化を狙ったものです。しかしこのように端末価格を異常に釣り上げて、「実質価格」ありきの価格設定が横行すれば、顧客の流動性は低下します。
これまで総務省はSIMロック解除等の議論において、通信料からの割引は、消費者に利益があるとして容認してきましたが、ご覧のとおり「縛り」として利用されています。10月19日より総務省のタスクフォースで端末価格と通信費の分離について議論される見通しですが、このような状況では、通信料からの割引が議論の俎上に載っても何ら不思議ではありません。
Nexus 5Xが欲しい人は、ドコモ版はいくらなんでも価格がおかしいので、ドコモ以外から購入しましょう。Google Storeとワイモバイルからも買えます。さすがに異常すぎるので、正式発表前ですし、修正が入る可能性もあると思います。
ドコモ版Nexus 5Xは、どの程度の数量を調達しているかにもよりますが、またGalaxy Nexus SC-04Dのように大量に売れ残り、一括0円キャッシュバック付きでばらまかれる可能性もあります。しかも安売りの原資は、既存顧客の支払った料金です。気になるけど、特に今すぐ欲しいというわけではない人は、値下げや特価を待ちつつ、様子見するのが良さそうです。
Nexus 6Pは今のところキャリアからの取り扱いが発表されていないので、Google Storeが主な販路となりそうです。