ややこしいですよね?
スマートフォンが高性能化する昨今、スマートフォンの紹介をするときに基本的なスペックを紹介するのが当たり前になってきました。
その中で強烈な違和感を発しているのが「内蔵ROMは32GB」や「ROM容量は8GB」という、内蔵ストレージの呼び方。
これって、どうなのでしょう?詳細は以下より。
本題に入る前に、出てくる用語へのリンクを紹介します。
文中ではこの用語を理解しているものとして説明を行うので、わからない用語があれば確認してください。
- ストレージとは【外部記憶装置】 – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
- RAMとは【Random Access Memory】 – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
- ROMとは【Read Only Memory】(ロム) – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
- フラッシュメモリとは【flash memory】(フラッシュROM) – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
- 主記憶装置とは【メインメモリ】 – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
- 補助記憶装置とは【auxiliary storage unit】(外部記憶装置) – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典
ROMという言葉への疑問
内蔵ストレージ容量、内蔵フラッシュメモリ容量、そしてROM容量、言葉は違えど指しているものは一緒で、スマートフォンの補助記憶装置の容量を表しています。
しかし、上記の用語の意味を踏まえるとROMという言葉の使われ方に強烈な違和感を感じるはずです。
内蔵されているのがROM(Read Only Memory)つまり、読み込み専用のメモリなら「写真や音楽はいったいどこに書き込まれているんだ?」
そう。今回指摘しているのは、そういう言葉の矛盾です。
ところが、ここに思わぬ引っかけががあります。スマートフォンの内蔵ストレージとして使われているNAND型フラッシュメモリはROMを発展させたものであり、厳密な分類ではROMの一種なのです。
その事実もあり、技術系ニュースサイト各社、各ライターごとに記述のぶれが見られます。
以下に一例を挙げます。
内蔵ストレージ(ROM)は2GB、RAMは1GBとなる。
1320万画素カメラ、デュアルコアの「LUMIX Phone P-02D」 – ケータイ Watch
ROMは4GB、RAMは1GB。
True HD IPS液晶搭載のLTEスマートフォン「OPTIMUS LTE L-01D」 – ケータイ Watch
16Gバイトという大容量のROMを搭載したのも特徴で
NEXTシリーズ:Xi、デュアルコアCPU、防水、G-SHOCK連携――ハイスペックスマホ「MEDIAS LTE N-04D」 – ITmedia +D モバイル
GALAXY NEXUSのROMは16Gバイト
「GALAXY NEXUS SC-04D」の“ここ”が知りたい:第1回 外観の特徴、GALAXY S II LTEとの違いは?――「GALAXY NEXUS SC-04D」 (1/2) – ITmedia +D モバイル
内蔵ストレージは8GB
ASCII.jp:HTC製の最新Windows Phone 7.5採用スマートフォンが登場!
ストレージ用メモリー8GBを搭載する。
ASCII.jp:防水だけど薄いぞ! 全部入りXiスマホ「ARROWS X LTE」|ドコモ冬モデル発表会 スマホ新製品は15機種 Xiスマホは4台!
それぞれの記事の表記方法に違いがあることが、見て取れるはずです。
当初、私もこれらで相当に頭を悩ませました。意味はわかるのですが、なんだか歯がゆい思いをしてしまいます。
ROMという言葉が誤用であると感じて仕方がなかったのです。
ベストな答えは?
RAMやROMと意味が重複せず、一目見ておおよそのニュアンスをつかめるものを考えた結果、「内蔵ストレージ」という表記法で統一すべきではないでしょうか?
確かにROMのようにアルファベットで略すことができれば、楽ですし、なんとなく見栄えもいいでしょう。
しかし、言葉に出来ない違和感をぬぐえないのです。さらに、ROMという言葉が使いたければ「フラッシュROM」と表記しなければ厳密には言葉として間違いですし、コンピュータに詳しくない人にはさらなる混乱を与えるものになるでしょう。
ならば、わかりやすくて汎用的な言葉で置き換えるべきです。たとえば、この後NAND型フラッシュメモリを置き換える何かが現れても、内蔵ストレージという言葉であれば、補助記憶装置である限り対応することができます
(過去に4GBのHDD(補助記憶装置)を搭載したW41Tといいう製品もありました)
これから、ブログでスマートフォンについて書くときや、Twitterでつぶやくとき。少しだけこのことを意識してみませんか?
そうすれば自然と間違った使い方をされている言葉は消えていくはずです。