マーケットでアプリへの理不尽な暴言が増える予感!
最近のシャープ端末に搭載されている消費電力を最適化する独自技術、”エコ技”機能が開発者の物議を醸しているようです。
事の発端は3月15日に開かれたSHARP Androidアプリ開発テクニカルセッションでした。このイベントでは新たなSHARP端末のタッチアンドトライやタッチパネルの応答速度向上技術、そして今回問題となったエコ技機能の紹介が行われました。
エコ技機能というのは”各種アプリケーションのバックグラウンド動作を抑制し、バッテリ使用量を軽減する”というものなのですが、実はその実装方法があまりにも強引なため、一部アプリが正常に動作しない状態に陥ってしまっているのです。
というのもバックグランドで動作しているアプリケーションに対して、Broadcast Intentの配信を強制的に抑止してしまっているようなのです。
これの何が問題かというと、スリープ時にもバックグランドで定期的に動作するアプリケーションが動作しなくなってしまう現象が発生しかねないのです。
togetterのまとめにもある通り、現にtwiccaの自動更新チェック機能は動作しなくなっており、replyがあっても通知されないという状況になっています。どうやら現時点ではAlarmManagerを抑止してしまうことが確認されているようです。
Android OSはBroadcast Intentによるイベントでバッテリーを消費しているのは確かなのですが、いかんせん実装方法が強引すぎるような気がします。少なくともユーザーには機能をオンにしたときに発生する具体的な現象について説明をしたり、最悪アプリケーション側からインテント抑止の無効化が出来るようになっているべきなのではないかな、と思うところです。
また、アプリケーションの互換性を崩すような機能が実装されているのにも関わらず、互換性があると認証したGoogleにも責任が無いとは言い切れません。
(まあ、実態は端末が多すぎてザル認証なのだと思いますが。)
SHARPは世界のスマートフォンメーカーの中でも率先して新機能や独自機能の開発に勤しんでおり、とても精力的なメーカーの一つです。
しかし、孤立した行動が目立つようになって来ました。Android OSはオープンソースなOSで、参加メンバーは開発に参加できるのですから、AOSP(Android Open Source Project)にそういった機能拡張の案を出してみてはどうなのでしょうか。
(特に私は104SHのアプリケーションからタッチパネルドライバのイベント間隔を調整できる、という部分をぜひともAndroid OS本体に実装して欲しいと思った次第です。)
また、SHARP端末のSDK アドオンがSHARPのデベロッパー向けサイトでしか公開されておらず、せっかく標準のSDK Managerがあるのにそこから利用できない、というのもSHARPの孤立を表しているような気がします。
しかし、自社で開発した機能を何の利益もなくAndroid OSの機能として吸収されてしまっては、メーカーに旨みは全くありません。こうなってくると独自機能を開発する意味とは何なのか、といった考えに発展しかねないので、Android OSのエコシステムが抱える問題と言ってしまっても良いのかもしれません。
スマートフォンも普及が進み、Android OSがトップシェアとなっている中で、そろそろGoogle含めたOHA(Open Handset Alliance)加盟端末メーカー全体がAndroid OS自体の方向性を考えなおす時が来たのかもしれない、と考えさせられた次第でした。
そして、それを考えるきっかけを与えてくれるほどの開発力を持つSHARPの今後が非常に楽しみなところです。