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【鳩の電子便】知ってますか?カメラ・ルシーダ

 どうもご無沙汰しています、あるごすです。皆さん、スマホのカメラは使ってますか?私はHTC JやXperia Pで自然や生き物の写真を撮るのが好きです。最近のスマホのカメラは下手なコンデジに負けないほどきれいな写真が撮れてすごいですよね。

 今日は少しばかり昔のお話をします。カメラ、あるいは「写真」という技術がまだない頃でも、今と同じように「目に見えるものを定着させる」というのはとても重要なことでした。その方法とはもちろん紙と鉛筆によるスケッチです。しかし、目測で対象を観察しながらスケッチするのは、いくら頑張っても実物とはズレができてしまいます。

カメラ・ルシーダの使用図(Wikipediaより)

 そこで昔の人はカメラ・ルシーダという機械を発明しました。これは写しとりたい対象物と紙を同じ視界に捉えることで、実物と同じ像を常に紙に重ねながらスケッチができるという優れものです。カメラという名前こそついてはいますが、どちらかと言うとスケッチの補助器具ですね。
 このカメラ・ルシーダ、コンパクトなため持ち運びやすく、当時のガジェットのひとつと言ってもいいと思います。

 カメラ・ルシーダが実用化されたのが1806年なのですが、実はそのすぐ後に写真技術が発明されたことで「見えるものの定着」としての使用されることは次第に減って行きました。

 しかしながら、写真技術があってもなお、カメラ・ルシーダが重宝された分野があります。それは生物学です。なぜかというと、スケッチは対象物の「特徴を捉える」という一点において写真より優れていたからです。例えばゾウリムシの内部構造を写真で見せられてもいまいち分かりませんが、スケッチで見せられたら一発ですよね?そのような利点があったため、20世紀後半になってもなお生物学の分野ではカメラ・ルシーダによるスケッチが行われ続け、今現在の教科書にもカメラ・ルシーダによるスケッチで描かれた絵が多く使われています。

カメラ・ルシーダによって描かれた神経細胞(fischbach, 1989)

カメラ・ルシーダによって描かれた神経細胞

 

 そんな昔から時を経て現在、カメラはデジタル化、小型化、などと着々と進化してどんどん高精細で現実の再現性が高い写真を撮れるようになってきました。そのためさすがに今日でもカメラ・ルシーダを使っている、という話は聞きません。さすがに時代の流れですね。

 スマホのカメラもそんなカメラの進化の中で生み出されたものです。スマホで写真を撮る時、カメラの進化を感じるとともに、昔の人はカメラ・ルシーダでこの景色をスケッチしたんだなあなどと思い出して頂けるとうれしいです(思い出さないか)。

 そんなわけで、昔にはこんなガジェット(?)もあったんだよ!というお話でした!

参考リンク、引用元

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