ドコモの「モバイル空間統計」への誤解が広まる。その本質は?

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[追記]13/09/09 16:32 販売されるデータに関しての記述が間違っておりました。お詫びと共に訂正いたします。
13/09/09 19:00 「懸念される問題点」を追記しました。

 NTTドコモが6日「モバイル空間統計」の情報を販売することを明らかにしたが「モバイル空間統計」に対して一部では誤解が広まっている。今回は「モバイル空間統計」の本質に迫る。

電話番号や住所が販売されるわけではない

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 多くの人が不安に感じ、誤解を招いているのがこの点だ。まず明言しておきたいのが、電話番号や住所が販売されるわけではない。販売されるデータは「非識別化処理」が行われ、販売されるデータから、氏名や電話番号、生年月日など、個人を特定しうる情報は取り除かれる。

 つまり、販売されるデータから個人が特定しうることはないということだ。

 ドコモもプライバシー保護の仕組みについて以下のような説明をしている。

 お客様のプライバシーを保護するために、非識別化処理、集計処理、秘匿処理といった3段階の処理を適切に実施して、モバイル空間統計を作成します。モバイル空間統計は、集団の人数のみをあわらす人口統計情報であるため、モバイル空間統計からお客様個人を特定することはできません。

引用元: 「モバイル空間統計」の実用化について

どのような情報が販売されるのか

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 販売される情報はドコモのグループ会社、ドコモインサイトマーケティングがモバイル空間統計のデータを調査・分析したレポートである。

 レポートからはおおむね以下のふたつのデータを取得することができる。

  • 人口分布
  • 人口構成

 これらはドコモが保有する基地局の情報と契約情報をひも付け非識別化処理を行うことで得られるものである。

 利用例としてドコモは「人口の地理的な分布がわかる」「性別や年齢別の人口がわかる」「居住エリア別の人口がわかる」と説明している。例として「東京23区の人口分布」や「秋葉原駅周辺・原宿駅周辺の人口構成」「東京都千代田区への流入人口」などが上げられている。

懸念される問題点

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 懸念される問題点は「非識別化処理」「集計処理」「秘匿処理」が行われる前のデータが第三者に渡ることだ

 このデータが悪意のある攻撃者に渡った場合、個人の住所や行動パターンを解析することが可能となる。そのような事態は絶対に起きてはならない。

 ただ、ドコモが営利目的で処理前のデータ販売することは考えられない。なぜならばそのようなことをせずとも十分な収入を見込むことができるし、ビッグデータのやりとりに対して反発を招くことを望むはずがないからだ。自らの商材の評判を落とすような真似をすることは考えづらい。

 ただし、一方では人的ミスや攻撃に対しては十分な対策を行って欲しいと思う。この点に関しては、今まで主要なインフラを支え、維持してきたドコモの信頼にゆだねる他はない。

オプトアウト(収集の拒否)が可能

 もちろん、自分を特定できないデータだからといって、行動データを販売されることに精神的な嫌悪感を感じるユーザもいるはずだ。その場合は、オプトアウト(収集の拒否)が行える。

 ドコモの携帯電話からは局番なしで 151 一般電話などからは 0120-800-000 から拒否の旨を伝えることが可能だ。

 また、毎月送付されてくる請求書同封冊子にも「モバイル空間統計」についての案内が掲載されるため、そちらも確認をしてほしい。

 これはあくまでも筆者の見解であるが、自身の情報が有効に活用され、より社会が豊かになるのであれば、それはそれで構わないのではないかと考えている(もちろん匿名化されていることが大前提であるが)ただ、情報の収集ということに強い嫌悪感を持つ方の考えも十分に理解できる。なぜなら筆者も昔はこういうことが大嫌いな人間だったからだ。胸元でモヤモヤとする不安感を払拭することは非常に難しいことである。

 今後もこのようなビッグデータの売買に関しての騒動の発生が考えられる。そのときは是非、公式が発表しているデータを含め、情報を咀嚼し理解を深めてもらいたいと思う。

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