総務省が通常国会に提出する電波法改正案により、技適が緩和される見通しです。これは以前から報道されている外国人訪日客を見据えたもの。
改正案は、日本国内に入国する人が持ち込む海外スマートフォン等の無線機器について、技適未取得の場合でも滞在90日以内(入国日が起点)の場合は技適取得済みと見做すという内容。
これまでも当然、外国人が日本で携帯電話を使っていないはずがなく、裏を返せば「外国人は皆(国際ローミング利用者を除き)違法無線機器を持っている」という状況だったのが、法改正後は合法となります。スマートフォン程度の未認証端末が電波障害を起こすことはほぼ皆無であり、五輪開催を見据えた適当な措置と言えます。
依然として日本人が同じことをすると違法扱い。今後は外国人向けのSIMカード販売が積極的に行われていくことになりそうです。
また、技適未取得端末の販売について、行わないように求める「努力義務」が設けられたのも赤線を引いて覚えておきたいところ。あくまで罰則規定はなし。これまで日本では、海外端末の販売について、使用者違法・販売者合法でしたが、そうした状況も変わっていく可能性があると言えるのかもしれません。韓国のように一律に使用者合法・販売者違法とした方が、本件のような「日本人使用者は違法なのに、外国人使用者は合法」という不条理な状況も起きず、シンプルでいいと思うんですけどね。