中国人から見た、日本のケータイ・スマホ衰退史

中国人が論評する日本のケータイとスマホの衰退原因

 以前、「日本の携帯電話(中国ではあまり「スマホ」をケータイと区別しない)は全世界から注目を集めていたが、何故いまは誰も気に留めなくなったのか?」という、WeChatのアカウント「日本窓」の評論記事が各メディアにて報じられました。

 あまり触れないで欲しい点な気はしますが、「よく見ているなぁ」と感心したので、ご紹介します。

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かつては最先端、シェアもあった

 日本の携帯電話メーカー衰退の原因として、「敵を侮り慢心して方向を見失った」、「イノベーション思考の欠如」、「キャリアによる束縛」と、バッサバサ切られています。

 StrategyAnalyticsの最新データによれば、アップルは第2四半期に日本で330万台のスマホを販売、市場シェアは41.3%に上り、第一位を占めています。一方、日本メーカーのソニーは16.3%、130万台。サムスンは70万台で8.8%の3位につけているほか、シャープが6.3%、富士通が6.1%と紹介しています。

 日本本土までiPhoneに席捲され、かつて一世を風靡した日本の携帯電話は、いまではソニーだけが僅かにグローバル展開の影をとどめているだけで、中国で日本の携帯電話はほぼ絶滅したと指摘します。「そうですね」としか言いようがありませんね。

 iPhone登場前、世界の携帯電話名門メーカーといえば、エリクソン、ノキア、モートローラー、それに日本のシャープ、松下、ソニー、三洋だったと言います。懐かしいですね。覚えてくれていてよかったです。

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 日本の携帯電話部品の製造は、ずっと世界の先端を走り、世界携帯電話市場のシェアも30%前後を占めたとか。これ、今もそうだと思っている人が多いですね。ここから、「輝きを失った原因」の分析に入ります。

敵を侮り慢心して方向を見失った

 アップルが独自に開発したiOSは、完全に「携帯電話」の概念を覆し、新たに「スマートフォン」を発明。さらに、当時半導体も既に日本の一強ではなく、韓国、台湾の企業が急速に追いついてきていました。

 アップルは日本製の部品を使用していたものの主要な部品ではなく、部品市場までも、日本は失おうとしていたと言います。iPhoneとiOSが出現したのにも関わらず、日本では「伝統的な」ケータイ製造理念を堅持していました。

 GoogleがAndroidを発表し、携帯電話市場の局面が変わると、ソニーも負けじと、「XPERIA」シリーズのスマホをリリース、しかし販売台数はアップルのiPhoneに遠く及ばず。

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 その他の日本メーカーは、三洋はパナソニックに買収され、パナの携帯電話部門は既に縮小。

 シャープは経営危機から携帯電話の生産を停止したものの、鴻海に買収されてからは、経営の多角化と自社製造の液晶を使用するために生産を再開、しかし以前の勢いを取り戻すのは難しいだろうと指摘します。どこかのホッカイロには触れないでくれて、よかったです。

イノベーション思考の欠如

 日本のスマホはアンドロイドOSに依存し、中国のHuawei、OPPO、vivoやXiaomiのような独自での改良は、あまりしていない。中国企業はアンドロイドから改良を重ね、ユーザーの満足度を高めている上に、高速充電、カメラ機能、使用時間、さらには情報処理能力でもiPhoneを超え、携帯電話産業の先行者になっている、日本のスマホブランドは、完全に追従者になっており、イノベーション能力と新たな発想に欠けている、と言います。

 これについては、指紋認証、二画面、さらにはベゼルレスディスプレイやNFCなど、現在主流になっている新たなものは出していただろと、反論したいところです。ここ数年に限れば、なんとも言えませんが。

編集部補足:OSの改良については、メーカーごとの味付けの問題なのでは。SHARPのように独自機能を載せがちなメーカーもあれば、SONYのように極力載せないメーカーも。ただ、中国メーカーの独自改良に光るものがあるのも事実なので、論評が的外れとも思わない。たとえば、Android 6.0 Marshmallowにて実装されたアプリの権限の可否の警告表示は、先行してXiaomiのMIUIが実装していた機能。(リンク

キャリアによる束縛

 日本の携帯電話市場はキャリアの天下であり、携帯電話の多くはキャリアが決めるもので、日本の携帯電話メーカーは往々にしてユーザーではなく、企業の方を向いた2B(To Business)になっている。

 本来、たとえキャリアが国営であったとしても、中国など多くの国と地域では2C(To Customer、消費者を対象とした)公開市場が主であり、それによって最終的には発展の均衡を実現、偏りを防いでいる。

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 日本は長年携帯電話を製造してきたが、機種の更新が非常に速い一方で、OSは統一されず、機能も異なっていた。

 グローバルな視野に欠け、OSとソフトウェアを軽視し、プラットホームへの理解が不足したため、日本の携帯電話は国外に出ると、奇怪な、整合性のない失敗製品となった、と指摘します。

 筆者は、ガラパゴス化の原因を、キャリアが支配する統制市場に求めているようです。おサイフケータイしかり、規格の汎用性のない機能を出し続ける傾向は、確かにスマホにも継承されているかも知れません。それにしても、共産党独裁体制の国から自由な市場の重要性を説かれるとは、相当キテるなと感じました。

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日本メーカーが再び輝く日は来るのか?

 某キャリアも、Huaweiにローエンドモデルのポジションをあてがうとか、今にして思うとなかなか凄いことをしていましたね。

 文中、これは縷々指摘されている「ハードウェア人材の流出」や、「中国メーカーの台頭」にも触れ、「中国メーカーはこの轍を踏まないように」と〆ています。

 日本メーカーが輝きを取り戻す日は、来るのでしょうか。とはいっても、既にメーカー自体ずいぶん減りましたが……。

編集部雑感:論評では触れられていなかったが、京セラはTORQUEをグローバル展開し、細々とタフネスモデルをリリース。ホンハイ傘下になり面白くて次に続きそうな製品が増えてきたAQUOS、来年のデザイン刷新を控えたXperia、そしてロボホンやXperia Helloなど、チャンスはあると思われる。