仮想通貨取引所コインチェックから、仮想通貨「NEM」が流出時の時価580億円分盗まれた事件に新展開です。
NEM財団とホワイトハッカーの尽力により、監視網が構築され、世界中の取引所での換金が難しくなった盗難犯。ついに自らTorを用いダークウェブ上に取引所を設置するという大胆な手段に出ました。Twitter上のユーザーmono_i_love氏が、詳しく追っています。
5億 $XEM 盗難犯、暗号メッセージで資金洗浄のやり取りを交わす一方、XEMを乞食してきた人にダークウェブ上の暗号通貨交換サイトと思しきURLを返信。文面から「15%引きでXEM売るよ」という事らしい。何が仕掛けてあるか分からないので対象のURLへのアクセスは控えて下さいhttps://t.co/CSxpQNnD6S pic.twitter.com/otP3renRJ8
— 単眼愛(モノアイ) (@mono_i_love) 2018年2月7日
ダークウェブとは、Torを利用してアクセスできる匿名インターネットのことです。ここに取引所を設置し、NEMをレートの15%引きで販売するつもりのようです。NEMを購入する対価として、BitcoinかLitecoinを指定しています。
補足:ダークウェブ上のサイト触ってみた。レイアウトに既視感とテンプレ臭さがあるので、犯人若しくは犯人に接触した人物がXMR払いかなんかで買ったツールで生成した辺りか。XEM残高表示されているので、アドレス毎の使い捨てサイトっぽい。流石に残高をバカ正直には表示していないと思うが… pic.twitter.com/xUG2QWcl5L
— 単眼愛(モノアイ) (@mono_i_love) 2018年2月7日
仮想通貨は台帳を共有することで、誰にでも取引を確認できる、透明性のある取引を特徴とします。しかし一部には誰が取引を行ったのかを隠す匿名通貨も存在します。NEMをダークウェブ上でBTCに換金した上で、匿名通貨に換金すれば、仮想通貨上の資金洗浄ができかねないというわけです。
「本当に売っているか不明」と書いたけど、買えちゃった報告している人いるからマジで売られているっぽい。アドレスと残高合っていないのは、複数アドレスの合算か?。犯人 $XEM の資金洗浄を他人に押し付けて、入手したBTCやLTCをDEX等で匿名通貨に変えてフィニッシュじゃんhttps://t.co/p9P8fGHKMy pic.twitter.com/4SbqoA32rd
— 単眼愛(モノアイ) (@mono_i_love) 2018年2月7日
Torとは、オニオンルーティングと呼ばれる仮想回線接続により、匿名性を高めるソフトウェアです。今ではダークウェブの入り口として知られていますが、そもそも米海軍が開発を支援していたオープンソースソフトウェアです。中国を筆頭とするインターネット検閲に熱心な強権的国家に、市民やジャーナリストが抵抗するために使われています。
一方で、現在のダークウェブはドラッグ売買や児童ポルノ、果ては銃器まで購入できる犯罪者たちの空間という側面もあります。Torは包丁と同じで、使う人間によって調理器具にも凶器にもなるのです。興味本位でTorをインストールする、といったことは控えた方がいいでしょう。